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理科教育用として選定した作品の紹介

NPO法人科学映像館を支える会は平成25年度年賀寄付金の助成金により、理科教育にふさわしい作品の選定と解説をを国見武男元中学校長に依頼し、資料を作成しました。ご利用ください。今後40作品を順次ご紹介します。

(1)鋳物の技術ーキュウポラ溶解ー
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製作:東京シネマ 企画:三菱化成工業株式会社  
1954年 イーストマンカラー 17分

<作品概要>
三菱化成工業は、1950年代はじめには、この会社の重要な製品の一つが石炭を乾留して作るコークスでした。そしてコークスの重要な購入者に鋳物業界があり、大切なお得意さんのために、この作品は企画されました。現場の鋳物技術者に正しいキュポラ熔解法を紹介して、技術の向上に役立てようとした作品です。勘や手加減に頼らずに科学的な基礎づげの上に立っての鋳物づくりの操業をするよう訴えたものです。

この映画が製作された1954年は、日本で本格的なカラーフィルム、イーストマンカラーネガの国内現像が実現した画期的な年でした。当時カラーフィルムは感度も低く、現在の4分の1以下、しかも非常にラチチュード(許容範囲)が狭く、いちいち色温度計を使って、照明光の色温度を計測し、CC(色補正)フィルターを使用して撮影をしていました。そういう状況の下で、この映画は、鋳造現場で重要な技術判断の基礎となる、高温で発光し、煮えたぎる焼けた鋳鉄の表面に現れる湯面(ゆずら)模様を記録するという課題に果敢に挑戦しています。

<指導>
指導:社団法人 日本鋳物協会

<参考 活用例>
教科    :中学校 技術・家庭科「技術分野」
指導領域  :「材料と加工法」身の回りの技術 ・技術の発達
活用ポイント:製作品の製作を通して,材料と加工の技術についての評価・活用を考えさせるガイダンスとして
        活用。

<助成金>
この映画は「平成25年度年賀寄付金」の助成金により、配信映画から理科教育ふさわしい作品として選定し、作品概要と活用例を追加して配信しています。
by rijityoo | 2013-04-13 17:29 | 年賀寄付金(36) | Comments(0)