久米さんの科学映像便り
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プロフィール
科学映像館理事長の久米さん。映像遺産を守り、生かすための日々!
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開館、半年
       科学映像館の開館、半年

 4月に開設以来,今月末で6ヶ月の節目を迎える。全く新しいことが多く、試行錯誤の半年で,
関係者に多々迷惑を。大沼,岡田両氏と東京光音のご協力により、科学映画のハイビジョンによるデジタル化(HD化)も、すでに7編を完了、配信中。さらに2編の作業に入っており、今年中には何とか10編はと考えている。HD化作品以外に、ハイビジョン撮影の映画2編とSD化作品32編を配信。これまでに1,238人の方が、延べ91時間も観ていただいた。科学映画に予想以上の関心を示されたことに驚いている。今後、さらに多くの作品を配信し、皆様のご期待に沿いたいと思っている。なおその間、本会の活動へのご理解、ご協力頂いた方に心から感謝。

 今後の活動予定として、皆様のご関心を参考に順次HD化と英語版の配信も。また巷のDVDはまちまちで、配信中のSD化作品でも原版を再現していないものも。そこでSD化作品のリメイクとSD化作品の履歴、すなわち原版からDVDまでの作業過程をファイルに加えたいと考えている。参考にしていただきたい。さらに各地で上映会を企画、多くの人に科学映画を観てもらいたいと。
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by rijityoo | 2007-09-28 11:16 | Comments(2)
科学映像館第2四半期『7-9月』の活動報告

7-9月の活動報告

(1)科学映画のHD化
     (膵臓の内分泌)と(インシュリン分泌の形態学)の2作品をHD化  金沢名誉館長のご援助による
(2)普及活動
  科学映画の上映:第21回ハーモニーの家、森のコンサートin蓼科、8月19日
              上の森発、旬の大学情報、奈良先端科学技術大学院大学、9月、2万人参加
              帝人ファーマ㈱研修会でThe Bone IIが9月22日上映される。
 今後の予定 
  山形国際ドキュメンタリ映画祭、10月6日    
  第23回骨の健康づくりセミナーin浦安、10月6日
  第2回科学映像館主催上映会、東京で開催予定
 パンフレットの配布:解剖学会北海道東北地方会、北海道医療大学、9月29.30日
             奈良先端科学技術大学院大学ホーラムin東京
             東京光音ロビー
             山形国際ドキュメンタル映画祭
 アメリカ骨代謝学会における須田立雄名誉教授の特別講演で紹介される。
 雑誌:10月2日号DIME〔隔週発刊〕で紹介
 新聞:長野日報で8月20日、森のコンサートが報道される。
(3)インターネットによる科学映画の配信
  HD化作品:2編
  ハイビジョン撮影作品:2編
  SD化作品:20編  5月1日から総計40編

  HD化準備中:1編  The Bone   帝人ファーマ株式会社支援
  SD化作品掲載承諾作品:10編
  SD化作品掲載許可願い:8編
(4)インターネット受信状況
   ホームページ:視聴ページ数(過去3ヶ月の1日の平均数)
            総数、        180
            配信科学映画    72
            科学映画館とは    32
            科学映画の制作   11
            科学映画との出会い 11
            学んでみませんか    10
               リンク         3
   配信映画:5月1日からの総数
          視聴者数、1,170人
          視聴回数、3,210回
          視聴時間、83時間78分
(5)協賛会社の依頼
    7社または団体の協賛または協力を得る。御協力に感謝。
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by rijityoo | 2007-09-25 10:35 | Comments(0)
日本の漁港を巡って〔漁業の現状と漁港めぐり〕

今回は科学映画製作の舞台裏を一休みし、今月の三水会例会のお話。三水会は28年前に発足。異分野の会員が毎月第三水曜日に集まり、ホットな話題を取り上げ、話し合う会である。本年からその内容を骨の健康づくり委員会のHPに花の雑学、三水会便りとして掲載、好評を得ている。今回の話題は、会員の栗生さんが1年かけて実際に20数箇所の漁港を訪ねてのレポート。詳細は近日掲載の三水会便りをご覧いただくとして、その予告編。

 日本の漁業の現状に大変びっくり。漁獲量は最盛期の約600万トンに対して約400万トン。食用魚介類の自給率は53%、養殖の餌も80%が輸入と驚くべき現状。沿岸漁業者は戦後60年で80%が、遠洋漁業者は90%が失職。300万人であった漁業関係者は、現在わずか22万人で、しかも高齢者が多い。

 昭和42年6,000隻と世界に誇った漁船も1,800隻となっている。しかも新造船は年間27隻と最盛期のわずか2%とのこと。台風の時、各港でよく見かける船は廃船で、買い手をまっているものが多いらしい。日本の漁業技術は素晴らしいため、韓国などは、漁労長まるごと船を買いとるといった始末。ハードもソフトも海外へ流失の時代か。

 ここでさらに大きな問題が。日本の漁業政策が全く無策らしい。栗生氏によると、漁船の数は激減し、漁業は休業状態にもかかわらず、港の数はほぼ同じ。いまだに魚港の新設と拡張工事は、増加傾向。水産庁予算の60%は、いまだに港の工事費として。例のばら撒き政策は、農業、林業のみならず漁業にも。何とかして欲しい。しかも水産丁予算は外国に比べても大変少ないとのこと。そして環境の変化にかかわらず、漁業に関する法律は昭和60年前後以来、全く修正、改定されていないとのこと。もっと一次産業に目を向ける時では、そして日本文化にも。
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by rijityoo | 2007-09-21 09:52 | Comments(0)
OSTEOCYTE制作の舞台裏 その2
 骨破壊時における破骨細胞と骨細胞の相互関係の映像化のため、破骨細胞と骨細胞を共存培養。観察結果から、破骨細胞は骨細胞に何らかの反応を示すが、残念ながら、結論は得られず。諸反応の映像を示すに過ぎなかった。しかし、映画完成後、骨細胞から破骨細胞の活性を抑制する物質を同定。骨破壊時、破骨細胞の働きを抑制するのではとの示唆が。骨細胞の死滅した骨組織は骨破壊が激しいとの報告もある。一方、破骨細胞が、骨細胞に積極的に働きかける映像は見られなかった。

 ネイベイド博士が来室した本来の研究課題、骨細胞に特異的に発現している遺伝子の同定。彼の方法は、形態的観察には対応できるが、分離細胞数が不十分。多数の細胞を得るための予備実験にかかる。骨組織の構造から、至って簡単な方法にたどり着く。その要点は、骨細胞のみを含んだ骨片を機械的と酵素処理で用意。その後、その骨組織を酵素で消化、細胞を集めると至って単純な手法を確立(分離方法はこちら)。骨細胞に特有な遺伝子の同定には至らなかった。しかし、数千個の卵から精製したタンパク質に破骨細胞の活性抑制因子の同定を。

 これらの研究は、まさしく異分野の人、ベイネイド博士、企業からの参加者らとの共同研究の成果の一例と考える。また特定の細胞の分離には、組織の構造、細胞の特性をまず十分吟味し、それぞれに適した手法をあみ出す工夫が。破骨細胞の分離には細胞の接着性がキーポイントであり、骨細胞は細胞のみを含んだ骨片がキーポイントとなった。

 予断ですが、破骨細胞と骨細胞共存の映像は、映画、北京原人のプロローグに使用された。
ご覧になった方もおられるかと思う。
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by rijityoo | 2007-09-19 12:53 | Comments(0)
OSTEOCYTE制作の舞台裏、その1
 スイスで開かれた国際学会の帰路、オランダのライデン大学ネイベイド博士のご自宅を訪問。長期招聘の話がまとまる。彼は当時、骨細胞に特異的な抗体を分離。この抗体を用いて骨細胞の分離、今後の成果が期待されていた。この骨細胞に特異的な遺伝子の同定をと、私たちの研究室に。

 2ヶ月の滞在であったが、研究以外にも多くのことを。今日、日本で問題になっている家庭、コミュニテイの崩壊問題、福祉と税制、教育制度などなど。日本の様に歯科医師が過剰となると、各大学の学生定員数でなく、大学数で調整するとのこと。例えば、オランダでは、7大学中4歯科大学は、管理下で閉校中とのこと。

 大学教授でありながら、彼自身コミュ二テイの世話人の役割も。一方、自宅の裏には運河が流れ、カヌウを楽しむ日課、なんとも羨ましい生活。また、来日中も読書を欠かさない毎日、日本人は読書が足りないと一言。b0115553_1426611.jpg

 本来の研究課題以外に、形態と機能を保持した分離骨細胞の美しさに。この細胞を用いた科学映画の企画が持ち上がる。骨細胞なくして生きた骨とはないと言われるも、骨細胞の働きはまだ定かでなかった。そこで映像で骨細胞に迫ってみようと。


 今回の映画では骨細胞の動態と機能および骨細胞と破骨細胞との相互関係の可能性を撮影目標に会社を説得、本番へと。予備実験を行った後、細胞を五反田のヨネプロに運び撮影。分離骨細胞の管理は厳しく、担当者の苦労は大変であったと思う。骨細胞の働きとして、まずヱイカスによるギャップ結合の実証。破骨細胞と関係は両細胞の大きさの違いから証明はできず、主として映像でとなる。骨中に存在している骨細胞をみて、小林さんは一言、今回のテーマは濡れだと。素晴らしい洞察力に感心。b0115553_13302440.jpg
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by rijityoo | 2007-09-17 16:36 | Comments(0)
The Bone II 撮影の舞台裏 その3
 今回の映画の目玉は、破骨細胞の形成と骨吸収像に成功したこと。しかもマウスを使い、容易に破骨細胞が得られ、以後,破骨細胞の研究にマウスを使う切っ掛けとなったことである。他の分野では、以前からマウスはラットに比較して分化度が低く、細胞レベルでの異物処理が高く、血液幹細胞から高頻度でマクロファージが形成されること。さらに造血発生の実験系には、マウスが使われていたことなど。これらの背景から考えると、今回の撮影にも最初からマウスを使うべきであったことは、自明の理。

 研究には、幅広い基礎的な知識と洞察力、そして幅広い視野にたっての考えが大切。そのためには、幅広い分野での活動と人的交流も大切であろう。そして常に複眼力を。

 波間からせり上がる裸婦のカットは、海から陸への動物の進化過程における骨をイメージした映像。ではこの映像はどのように撮影されたのか? ある日、撮影現場に足を運び、びっくり。大きな実験机の上に手製のプールが作られ、満々と張られた水。スタッフが交代で延々と人工波を。この波を背景に例の真っ白な裸婦がせり上がる。この映像のデジタル化で、背景の波の色が裸婦に反映し、ピンクがかっているのは非常に残念。

 実は、今回も商業映画ではなく、科学映画に徹したため、企画した会社との調整は難航。
監修者ともども落とし所では大変な苦労があった。その中で会社の担当者の理解と協力には大いに感謝。


 追記

 以上2編の映画は多数の情報と研究素材を。映画の完成後、教室は破骨細胞の研究へ。自治医大の須田先生等との破骨細胞の起源の実証に始まり、骨吸収評価系の確立、破骨細胞の分離と特異遺伝子の分離,同定など。その間、国内外の多くの研究者と交流。当時大学に、海外の研究者を招聘できる制度があり、教室はこの制度を大いに活用。ホートン博士、ネイベイド博士ら7人の研究者は、公私にわたり、私たちに大きな贈り物を。次回からネイベイド博士とともに分離した骨細胞と映画, OSTEOCYTE、制作の舞台裏を。
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by rijityoo | 2007-09-14 10:53 | Comments(0)
The Bone II 撮影の舞台裏 その2
 1980年前半、破骨細胞の起源と形成様式は、まだ明確ではなかった。そこでこれらの課題に真正面から取り組んだのが今回の映画。ラットまたはヒヒの骨髄細胞または肺胞マクロファージにビタミンDを加えて培養すると、多角細胞が形成されるとの報告が。これらを参考に資料作成の準備に。しかし、ラットの骨髄細胞を用いた系では、形成期間に長時間を要し、頻度が低い。また破骨細胞であるとの確証がないことで、撮影の対象として疑問符が。

 ところが予期せぬ展開が。たまたま動物舎に適齢期のラットがいなかったため、スタッフはマウスを用いる。3,4日後には、シャーレ一に多数の多角細胞を発見、しかも再現性があるとのこと。スタッフの報告に嬉しくもあり、不勉強さに恥ずかしい思いを。以後、破骨細胞に関する研究は、マウスが用いられることに。

 そこでこの多角細胞の形成様式と破骨細胞の同定に取り掛かる。まず形成様式の観察.融合によるのかどうか?スタッフとともに観察を重ねた結果、融合によるのではとの結論を。次いで破骨細胞の同定。この多角細胞の染色性とかカルシトニンのリセプターの存在だけでなく、骨破壊能力の有無が、最も適切と考え、本格的試料の作成へ。

 形成の実証には高いハードルが。どの細胞が何所で多角化するのか?スタッフは丸1週間ぐらい観察に観察を重ねる。デジタル時代の今日であれば、試し撮りも可能だろうが。35ミリフィルムの時代、当然、確実性が求められる。下左の写真は即本番の映像である。神がかり的なカット。しかし、この映像はスタッフの長時間にわたる観察力と洞察力から生まれたもので、決して偶然の結果ではない。

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 一度分離し、遠く離れた細胞を引きつれ元の細胞と再融合。細胞表面に特異性を示唆する映像である。しかもこれらの細胞は骨吸収能を発揮『下右の写真』、すなわち破骨細胞であることが明らかに。骨吸収評価系がチャンバーズ博士によって提唱され、本格化されたのは、この映画の完成4年後のことであり、小林さんとスタッフの先見性と洞察力に頭が下がるのみである。
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by rijityoo | 2007-09-12 11:34 | Comments(0)
The Bone II 撮影の舞台裏 その1
 この映画は、The Bone の疑問点を明らかにしようと企画したものである。まず会社の説得から始まった。イタリアで開催されたビタミンDワークショップに出席した際、会社の担当者を説得。フィレンツェのホテルのロビーで、シェフィールドへ向かう列車の中でも。彼らにとっては迷惑な話であったと思う。前述した欧州骨代謝学会に出席していたマーチン博士を始め、多数の外国人研究者からのThe Bone評価の手紙が、制作の切っ掛けとなったことは間違いない。いわゆる逆輸入である。

 第二作では前回と異なり、制作目標がある程度明確に。その一つは第一作で問題となった破骨細胞は何細胞から出来るのでしょうか?即ち破骨細胞の起源と形成である。もう一点は動物での骨形成の映像化。この2点に絞られ、検討が続いた。

 今回は骨形成について。異所性の石灰化を誘導する骨形成因子(BMP)を用いて骨形成をと。当時阪大でおられた高岡先生に資料などで大変お世話になった。その映像化のため、腹筋に窓を持ったチャンバーを植え込み、2個のプリズムを使って腹腔側から照明し、顕微鏡で観察しようとの仕組み。スタッフは、まずチャンバーの試作、全て手作りである。腹筋にMBPを含んだチャンバーをセットし、動物を仰向けに固定。この状態で長期間の飼育と観察、大変ユニークな発想。残念ながら、骨形成までにはいたらなかった。


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 初期の目的、骨形成の映像は得られなかったが、予期せぬ映像、血管の新生像が。筋組織から血管が新生し、赤血球が血管をこじ開け、管腔を形成するといった珍しい映像が撮影された。写真はその映像である。




 このシステムを考案、試作したのは、九州大学文学部フランス語学科出身者で、科学映画製作に取り組む物静かな青年であった。小林さんを幅広い分野の人たちが支え、根気よく各カットの映像化にそれぞれの工夫と仕組みを。次回は破骨細胞の形成について。
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by rijityoo | 2007-09-10 11:20 | Comments(0)
映画配信を始めて4ヶ月
 5月1日、HD化生命誕生の配信を始めて丸4ヶ月が。その間、HD化作品7編、SD化作品28編を配信。1,000余名の方が視聴し、その回数は2,639回、74時間と驚くほど多くの人が。各映画では、生命誕生が抜群で、実に、800視聴回数、23時間の視聴時間となっている。誰でもが、いつでも、どこでも科学映画を観ていただきたいと始めた科学映像館活動、一応成功ではないかと。そして私たちの一層活動が期待されている感じている。

 2,3年前から、骨の健康づくり委員会で科学映画の配信を始めた時から、配信映画の選定は、慎重に行ってきた。その基準は、商品名が入っていない映画で、受賞暦、推薦、学術指導体制などの資料審査。その後、各映画をDVDで視聴、配信へと。科学映像館でも同様の方針で選定。大きな選定ミスはないと確信しているが、各映画の視聴傾向から選定の難しさも感じる。所詮一人の選定には限度があることを実感。なんでこんな映画がと、言われるかもしれないが、視聴者の感心も色々、評価も色々である。

 また過去の名作も学問の進歩、環境の変化、撮影技術の進歩などで、色あせることもあるようだ。しかし、これらの作品の評価が決して低くなったのではない。したがってこれらの作品を映像遺産として管理保存し、後世に贈ることは関係者の責務であると思う。

 唐突であるが、科学映像館の英語名が、まだ決まっていなかった。山形国際ドキュメンタル映画祭担当者からの問い合わせがあり、岡田一男本会副理事長と相談、Sicence Film Museumと決定。

 7日金曜日は、ブログと映画の配信はお休み。10日からThe Bone II制作の舞台裏を。お楽しみに。
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by rijityoo | 2007-09-05 12:42 | Comments(0)
撮影後日談
 骨組織に取り組んだ今回の映画は、全く初めての課題であり、小林さん自身も大学に泊まり込んでの撮影。上記の様に、各々のカットはそれぞれの材料調整と観察法に工夫を重ねて撮影されたものである。頭蓋の血流に始まり、長骨の形成、細胞レベルでの形成と吸収。骨の生きた営みを見事に編集。生素材そのものに迫った映像が故、今回の映画には計り知れない情報が。26年後の今日でも、科学映像館で配信32編のSD化作品中、生命誕生に次ぐ高い視聴回数と視聴時間があり、関心の深さが。いまだに本映画が現役であることを物語っている。

 長期間の撮影には、予期せぬハプンニングも。その間、米作さんとは幅広い話し合いが。映画の制作論、教育論などなど。その中に米作さんの健康管理への話題にも及ぶ。夜、走ることもの返答に、そこで小生も。ところが11日目の夜、河原で見事に転倒し、右ひじの骨折で5ヶ月のギブス生活。骨分野への研究は、遅まきながら奇しくも骨折と映画の制作でのデビュウへと。またスタッフと研究室の補助者とのロマンもあり、The Boneは思いで深い作品となった。

b0115553_1094490.jpg 新薬について全く触れていない今回の作品は、企画した
製薬会社には必ずしも歓迎されなかったと聞く。板ばさみとなった担当者の苦労は痛いほど感じられた。しかし、この映画の国内外での学術的評化は予想以上に高く、とくに海外では。イギリス、シェフィールドのカニス博士にこの映画を観て貰う機会があり、2日後に開催される欧州の骨代謝学会で上映しないかとの急遽の要請。しかし、帰国後の予定もあり、映画を託して帰国。その学会では世界各国の出席者から、絶賛されたと聞く。海外での予期せぬ評化が第2作、The Bone IIの企画へとも。またThe Boneの帝人は、活性型
ビタミンDの製造、販売会社と海外の骨関係者に強い印象を。よくある逆輸入の話。

 NHKを初めとする国内外メデイアでこの映画を使用。また教材としても。大阪大学医学部を始め、国内外の大学から使用希望願いが相次いだと聞く。本年春にも東京大学教養学部からの購入希望が。各企業は費用対効果のみでなく、中身の濃い後世に残る映像の制作、そして過去の名作を保存し、活用することにもっと目を向けてもらえればと。社会への還元、よい意味の道楽も。
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by rijityoo | 2007-09-03 09:29 | Comments(0)