久米さんの科学映像便り
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カテプシンK物語が好評
カテプシンK物語がおかげさまで多くの方に読んでいただく。400件を超えそうな勢い。あと数回、主としてチバガイギーでの仕事を中心に展開したい。

ブログのアクセスも、最近1週間160件/日と久しぶりに,にぎわっている。
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by rijityoo | 2012-07-31 07:29 | 活動の蔵(1、208) | Comments(0)
カテプシンK物語~ひとOC-2相同遺伝子を求めて
チバガイギー社(現:ノバルティス社)との共同研究が始まり、3名の研究員が派遣されてきました。現大阪府立大学大学院生命環境科学研究科准教授である石橋先生は3人目の研究員であり、当時仕事も佳境に入ったころでしょうか。私も知らない舞台裏のエピソードもあり、当時のことが蘇りました。

では石橋先生の物語の始まりです


「私が日本チバガイギー株式会社に入社した次の年、すなわち1994年に、新規骨粗鬆症治療薬の開発をターゲットとしたプロジェクトが本格的に始動しました。その少し前に、すでに紹介されている通り、手塚氏がウサギ破骨細胞からクローニングに成功したOC-2が破骨細胞特異的な新規システインプロテアーゼをコードすることが示唆されたため、本酵素が骨吸収において重要な役割を担う可能性が高いと判断し、久米川先生との共同研究を開始しました。
 

OC-2は、ヒトやマウス等のカテプシンLやカテプシンSと中程度の相同性を有するため、新規のリソソーム局在性システインプロテアーゼ(カテプシン)であることが強く示唆されたわけですが、残念ながらウサギの遺伝子配列の情報は極めて乏しく、その時点で「新規」であることが証明されたわけではありませんでした。そこで、我々は、まずヒトにおけるOC-2相同遺伝子のクローニングを試みました。
 

幸い、スイスのチバガイギー本社の研究所が、変形性骨関節症患者から切除した病変骨端の検体を有していましたので、そのRNAを抽出し、cDNAライブラリーを作製しました。ここから、ウサギOC-2 cDNAをプローブとして相同cDNAをスクリーニングしたところ、程なく陽性クローンが得られました。


このクローンは329アミノ酸から成る蛋白質をコードしており、アミノ酸レベルでウサギOC-2の推定遺伝子産物と94%の相同性を示したことから、ヒトOC-2であると断定できました。ヒトOC-2はヒトの既知カテプシンとは20-50%の相同性を示しましたが、同一の配列を有する遺伝子はデータベースに存在しておらず、この時点で新規カテプシンをコードする遺伝子であることが確認されました。また、ノーザンブロット法により、ヒトOC-2もウサギと同様に破骨細胞に選択的に発現することが明らかになりました。

実は、ほぼ同時期に国外の研究室でもヒトOC-2のクローニングに成功したという情報が入ってきており、この成果を論文にまとめることは急務でした。そこで問題になったのが、この新規カテプシンの命名です。当初、我々は、破骨細胞(Osteoclast)に由来することから、カテプシンOと名付け原稿を作成していました。

しかし、投稿直前になって、「Human cathepsin O. Molecular cloning from a breast carcinoma, production of the active enzyme in Escherichia coli, and expression analysis in human tissues.」というタイトルの論文がJBCに掲載されたのです。このことを知り、我々は一瞬「やられた!」と思い愕然としました。

時期が時期だけに、我々がクローニングしたものと同じ遺伝子の報告であると思い込んだのです。しかし、冷静になって配列を調べてみると、それはOC-2とは全く別物であることがわかり、一安心しました。但し、もはや「カテプシンO」の名前は使えません。代わる名前としていくつかの案があがりましたが、当時当該プロジェクトのリーダーであった小久保 利雄博士(現:武田薬品工業株式会社)が提案した「Kumegawa先生のK」という案でまとまり、カテプシンKという名前でBBRCに報告しました。1995年初頭のことです。

結果的に、時をほぼ同じくして、我々以外に3つの研究グループから独立してヒトOC-2のクローニングが報告されたことが、競争の激しさを物語っています。彼らは、それぞれ独自にカテプシンO、O2、Xという命名をしましたが、最終的に我々の「カテプシンK」が正式名称として採用されたのは実に幸運なことでした。

他グループによる命名について考えてみると、Oについては先述の如く別のカテプシンと重複し、O2などといった2文字の命名は先例がなく、またXは「得体の知れないもの」というイメージから不適切と判断され、最終的にKが生き残ったと推察していますが、この点については、先に述べた小久保氏のファインプレーと言えましょう。(但し、後で思えば、Kというのは小久保氏や手塚(建一)氏のイニシャルでもあったのです。)
 

何はともあれ、以上のようにヒトにおいても破骨細胞特異的システインプロテアーゼであるカテプシンKの存在が証明され、本酵素が骨粗鬆症治療薬開発の新規ターゲットとなりうることが現実味を帯びてきました。次回は、引き続き行われたヒトカテプシンKの酵素学的性質に関する研究の展開について紹介する予定です」

補足:私たち論文が受理された11月29日、ミシガン大学のグループも同様の遺伝子も発表されました。人生で最も感動した日でした。

参考文献
Inaoka,T.,Bilbe,G.,Ishibashi,O.,Tetsuka,K.,Kumegawa,K.and Kokubo,T.:Molecular cloning of human cDNA for catepshin K:novel cystein proteinase predominatly expressed in bone.Biochem.Biophysic.Res.Commnu.,206,89-96,1955
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by rijityoo | 2012-07-30 19:25 | カテプシンK物語(23) | Comments(0)
カテプシンK物語に昨日58件
作日58件のアクセスがあり、延べ358件となる。昨日もっとも多かったのが~初めに~で18件であった。

しかしあまりにも拙い文章でお分かりにくく、ご迷惑かけている。身近の人に対談方式に書き直してもらつもいたいとお願いしている。
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by rijityoo | 2012-07-30 12:15 | 活動の蔵(1、208) | Comments(0)
You Tubeで3作品の配信を開始
You Tubeで3作品の配信を開始。反響を見ながら今後の配信を検討したい。
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by rijityoo | 2012-07-29 22:30 | 活動の蔵(1、208) | Comments(0)
カテプシンK物語~ひと巨細胞腫との出会い
破骨細胞の分離に最初のトライには、長期招聘留学制度により私の研究室に来室していた英国のホートン博士 が確立した、巨細胞腫から得た単抗体(ホートン抗体)を用いました。単抗体の使用です。この巨細胞種はヒトの長管骨に発生する多くの巨大細胞から成る良性の腫瘍です。しかし破骨細胞採取には、我々は腫瘍自身に全く頭にありませんでした。いまにしてみれば勉強不足だったということでしょうか。

もしこの腫瘍を破骨細胞の材料として考えていれば、もっと楽に破骨細胞を採取できたかもしれません。この腫瘍との出会いは全くの偶然でした。大阪大学医学部大学院生が彼の仕事についてのコメントを求めて来室したこともありましたが、あまり適格なコメントは出来ませんでした。

その頃ちょうど我々は映画「Osteocyte(骨細胞)」を制作していたところで、その一部を見て彼から貴重なコメントをもらいました。その後教室での会話中に、彼が使用していた資料はヒトの巨細胞腫であることが分かり、整形の分野ではこれが多く得られることから、腫瘍を提供してもらえることになりました。

巨細胞種との出会いでした。

その後大阪大学医学部から大量の腫瘍が提供され、ウサギと同様に巨細胞を分離してクローニングを行い、巨細胞に特異的な遺伝子を得ることが出来ました。

これとともに、タンパク質からカテプシンKを究明するにはウサギから得た破骨細胞では量的に間に合わず、この巨細胞腫が大きな力を発揮してくれたものです。

私たちは破骨細胞の収集にウサギを使用して苦労したのですが、しかしこれは必ずしも回り道しただけではなかったと思っています。あのノウハウがあって初めてヒトの巨細胞からも破骨細胞が得られたのです。またカテプシンKは腫瘍細胞ではなく、正常の細胞から得たものと言うお墨付きにもなりましたから。
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by rijityoo | 2012-07-29 10:38 | カテプシンK物語(23) | Comments(0)
オリンピック期間は・・・・・
オリンピックが始まると、アクセスが激減。仕方ないか!

再来週週、500回記念作品を配信。500回は「雪に挑む」、35mmネガからHD化した作品、現在デジタル化の作業中。こうご期待。

501回は山のこだまを予定。
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by rijityoo | 2012-07-29 07:33 | 活動予定(395 ) | Comments(0)
カテプシンK物語~学会とセミナーの世話
この間に研修会と学会の世話人を務めました。研修会ではBone Cell Biologyでしょうか。これは10年間開催しました。毎年6月末、約100名の参加者が富士の裾野にある研修会場に来て、一泊二日の日程の間、夜を徹して議論を深める研修会となりました。

この会には他分野で活躍されている先生方にもご講演いただきました。他分野における研究の実態を知るとともに、骨の研究に参加していただくことがこの研修会の目的でした。10年間で数十名の方にご講演いただいたと思います。
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      Bone Cell Biologyに参加された故メルク社のRodan博士


1996年には大宮のソニックシティで開催した日本骨代謝学会の世話人を務めました。この学会でも会員以外の先生方にご講演いただきました。これは教室員と関係者による手作りの学会で、懇親会も無料と異質なものでした。学会終了後、多くの先生方から賛辞のお手紙をいただきました。また「寄付のお願い」をすることもなかったため、製薬会社の方々からも大いに感謝されました。

2001年には同じく大宮で日本歯科基礎医学会を開催しました。この学会も相当型破りのものでした。こういった経験が、この「NPO法人 科学映像館」の活動に繋がっているのかもしれません。











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by rijityoo | 2012-07-28 23:22 | カテプシンK物語(23) | Comments(0)
明日からYou Tubeで一部の映画を配信予定
許諾を得た一部の作品を全編You Tubeで公開予定である。WebNPO科学映像館サイトと並行して配信したいと思っている。最近、You tubeも映像が鮮明、しかも10分以内の制限もなくなり、アップできる環境が整ってきた。様子を見ながら配信作品数を増やしたいと考えている。
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by rijityoo | 2012-07-28 14:08 | 活動予定(395 ) | Comments(0)
カテプシンK物語に多くの方が
約2週間に始めたこのシリーズ、徐々にアクセスが増加、ついに250件を超える、しかもますます増加の傾向が、昨日だけでなんと28件。多くの方からもメールが届く。プリントして読んでいただいているかともおられるとか。こういった機会が巡ってきたことに感謝。
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by rijityoo | 2012-07-28 09:08 | 活動の蔵(1、208) | Comments(0)
ロンドンオリンピック始まる
開会式が5時から始まったそう。犬の散歩後、ゆっくり見てみようかな。

今年も書類の催促が、まったく休む暇もない。JST「情報管理」の著者校正が届く。9月号に出る予定、タイトル名は「科学映像を守る 記録映画の保存と活用 Saving motion-picture science film holdingsPreservation and use of documentary film heritages」。カラー印刷と編集者のご努力に深謝。これまでの活動全貌がまとまる。
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by rijityoo | 2012-07-28 07:49 | 活動の蔵(1、208) | Comments(0)