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映画は観てもらわないと


  科学映画は、最盛期には年間、数百本制作されていたと言う。しかし、時代と共に観る機会も少なくなり、忘れさられ、倉庫の片隅に転がっている作品も少なくない。勿論制作会社によっては、新しいシステムを取り入れ、フィルム作品を転換し、大切に保管しようとつめている関係者もいる。しかし記録映画の制作業界は厳しいく、保管がままならないのも現状である。

  一方、インターネット上で多くの画像が配信され、簡単に見られる今日、これを活用しようと考えている人と慎重な人もいる。版権等の問題もあり、一概にどちらが正しいとは言えない。しかし、映画は観てもらって初めて評価され、活用されて始めて本当の価値ある作品にと筆者は考える。

  科学映像館活動を始めて、多くの作品をデジタル化、ウェブ上で無料配信。多数の方が鑑賞されている。しかし、本当に忘れ去られて現状にはびっくり。あるセミナーで数回、科学映画を上映、ご覧いただいた。大変高い評価をいただくが、ほとんどの方(95%)は初めて観たとのこと。それほど観る機会がないのである。

  先日、ある新聞社の記者の取材を受けたが、その際も記録映画の実態と配信が進まない原因はの議論が。版権、制作への思い、営業問題もあるが、もっと総合的にウェブ配信を考えてもとは、彼の素朴な疑問。

  科学映像館の開設には、東京シネマ新社代表の岡田一男氏の先見性と英断が大きな支えになった。彼は、フィルムを大切に保管、多くの方に観てもらおうと常に考えている。まず彼はほとんどの作品を提供、配信の許可を進んで行なってくれたことでgo発進が。

  勿論配信しDVDが売れなくなるとか、上映会の参加者が少なくなるのではとの考えもある。小生の偏った考えかもしれないが、まず作品が秘蔵化して一般のかたにはもう知られていないこと。会場に足を運ぶ人と
ネットで作品を観る人は別であること。しかし、ウェブ上で観て作品を知って、DVDを買おうとか、教育に使用したいとか、作品の宣伝効果も大きいのではと考えられる。配信しても版権、映像権が失われるわけではない。関係者は大いにウェブ配信を見直し、活用し、多くの方に貴重な作品を提供し、観てもらっては如何?
by rijityoo | 2009-05-30 14:21 | Comments(0)