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久米さんの科学映像便り
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プロフィール
科学映像館理事長の久米さん。映像遺産を守り、生かすための日々!
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遠藤日記のご案内
遠藤浩良先生から昨晩いただいた、遠藤日記。日本の食生活ではヨウ素摂取の観点から大変、優れて胃いるとのないようです。じっくりお読み下さい。

  「先に、医薬品の「乾燥甲状腺」のヨウ素含量規格にみる日本薬局方(JP)
とアメリカ薬局方(USP)の差について、島国と大陸という地理的環境の差か
らくる雨水のヨウ素含量の差がもたらしたものであるとお話しましたが、今日は
ヨウ素に関連する話題の続編として、我々日本人の食生活が、甲状腺ホルモ
ン産生のために不可欠なヨウ素摂取の観点からすると、諸外国に比べて如何
に勝れているかについてお話しましょう。

  先にヨウ素欠乏の状態は、決して家畜だけの問題ではなく、ヒトでも同様に
あるに違いないとお話しましたが、更にこれはアメリカのような大陸に限られた
問題ではなく、実は世界中に広く存在する大問題なのです。

  この点を指摘する一番新しい論文としては、

 Vanderpump MP et al. Iodine status of UK schoolgirls : a cross-sectional
 survey.   The Lancet, Early OnlinePublication, 2 June ,2011

 http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811
%2960693-4/abstract

 ※ 日本語の紹介:10代の女子生徒、過半数がヨウ素欠乏状態、英国調査

       http://www.m3.com/open/thesis/article/11306/

があります。

 すなわち、日本と同じ狭い島国の英国のことですが、14―15歳の女子生徒
810人の尿中ヨウ素含量を調べたら、51%が軽度、16%が中等度、1%が重
度と、何と7割近くの少女がヨウ素欠乏状態にあると判明したというのです。

 皆さんも一度 “iodine deficiency” をキーワードにして検索してみてください。
世界中のヨーソ欠乏に関する記事が、比喩的に言えば文字通り“五万”と、実
際は百万件以上も出てきてうんざりします。それ程ヨードの欠乏は世界中で大
問題になっているのです。特に、妊婦がヨウ素欠乏になると、胎児の脳の発育
が遅れてしまうのですから大変なことです。

 我々日本人は、普段意識していませんが、一般にヨウ素含量が高い海産物、
特に海苔、わかめ、昆布などの海藻類をよく食べますから、ヨウ素欠乏は全く
心配いりません。むしろ、昆布で有名な北海道日高地方などでは、昆布の食
べ過ぎによるヨウ素の過剰摂取で、逆に甲状腺機能低下症が起こるくらいです
から。

  このように、我々日本人はヨウ素摂取に関して世界中で最も幸福な民族で
あるためでしょう、調べてみましたが、ヨウ素欠乏を論じた日本語の論文は見
当たりませんでしたので、外国語の総説を幾つか以下にご紹介します。

○ Iodine:Deficiencyand Therapeutic Considerations (Alternative Medicine
  Review Vol 13, No.2 116?127(2008)

 http://www.adltests.com/assets/files/pdf/Iodine_Deficiency_Review_Patrick.p
df
  
○ IodineDeficiency Endocrine Reviews 30 (4)376-408 (2009, June 1)
  
http://edrv.endojournals.org/content/30/4/376.full


○ Iodine for Health by Donald W. Miller, Jr. MD
  
http://www.lewrockwell.com/miller/miller20.html


 そんな状態ですから、ヨウ素欠乏を防ぐために、外国では一般に食卓塩として、
日本には見当たらない ” iodized salt ”(ヨウ素添加食塩)を使っています。その
必要が無い我が国では、食品添加物としてヨウ素は許可されていませんので、
こうしたヨウ素添加食塩の製品が市場に存在しないのは当然なのです。

 ところが、例えばお隣の中国は広大な大陸の国ですから、7億の民がヨウ素
欠乏状態にあるといわれ、それ故、食塩へのヨウ素添加が法的に義務付けら
れていますので、海に近い都会の北京、上海、広東などでもヨウ素添加食卓
塩が売られています。

 そこへ今度の東電福島第一原発の大事故が報道されたものですから、風に
乗って日本から飛んでくるヨウ素131による放射能被害を防ぐには安定ヨウ素
を摂るのがいいとの話があっという間に市中に広がって、食卓塩に添加された
ヨウ化ナトリウムの含量では何の効果もないのに、殺到した市民の買い占めで
スーパーマーケットの棚からあっという間に食塩が消え、食塩の価格は数倍に
はね上がったと、以下のように報道されています。

 福島原発事故で中国が塩パニック、食塩のヨウ素が被ばく防ぐとデマ 
       2011年03月19日 10:20 発信地:北京/中国

http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2791206/69712
63

 こうしたデマに惑わされるのは困りものですが、我が国とても、ヨウ素131の
甲状腺蓄積を防ぐのに、ヨウ素の入った喉のうがい薬の「ルゴール液」を飲む
のがいいとかという話がまことしやかに伝えられたりしたのですから、決して中
国を笑えませんが。

 こうしたデマほどではないにしても、今回の東日本大震災の救援にボランティ
アとして被災地におもむかれた薬剤師さんの中には、当然の如く”安定ヨウ素
剤”を服用された方もいらっしゃったようですが、生半可に飲んでヨウ素過剰摂
取になると甲状腺機能低下を来たしますから、

        ヨウ素(ヨード)過剰摂取の危険性について

http://kodomo-kenkou.com/cretin/info/show/627

に書かれていますように、これも実は結構難しい問題です。

 このように我々は常に正しい情報を収集することに努める必要がありますが、
日本の新聞やテレビの報道は一般に遅い上に非常に偏りがありますから、刻
々と進行する事態を先ず広く、そして客観的に、更に正しく把握するためには、
例えば以下に示すような、日本の当事者の発表あるいは国内メディアの報道
とは一味違った視点からの外国の報道にも目を配っておくのが有効であろうと
思いますので、ヨウ素の問題からは離れて一般論としてご紹介しておきます。

○ 福島原発事故 海外メディアの報道から  2011年3月13日     
     http://blogs.yahoo.co.jp/success0965/11405307.html

○ 日雇いで放射能に立ち向かう労働者たち 2011年4月19日
     
http://d.hatena.ne.jp/kentao/20110419/p2


  原文 NewYorkTimes
    
http://www.nytimes.com/2011/04/10/world/asia/10workers.html

     Japanese Workers Braved Radiation for a Temp Job

○ 「退職者たちの行動隊」、フクシマの若い労働者たちに交代を申し出
   2011年6月19日
     http://d.hatena.ne.jp/kentao


   原文 ル・モンド 
     http://www.lemonde.fr/imprimer/article/2011/06/06/1532374.html
Au Japon, le “Corps des veterans” sepropose de remplacer
     les jeunes salaries en poste a Fukushima

彼らの数は250人近い。年齢は60代かそれ以上。 ・・・ この人々の中に
   は、技師も、
医師も、あるいは単なる労働者もいる。彼らはみな、山田恭
 暉氏(72才)の呼びかけに応じた。彼は住友金属工業を定年退職した技
 師だ。燃料棒
の一部が溶解している2号機、3号機のそばで、毎日交代し
 ながら働いている人々を テレビで見た山田氏は、何かしなければ、と思い
 立ったのである
。彼は、今日ではその欠陥が明らかとなった原子力政策を
 「意図
的にせよそうでないにせよ」支持したのは自分の世代であり、またそ
 の結果を引き受けなければならないのもこの世代であって、原子炉を安定
 させるために送り込まれるのは若者たちであってはならないと考えている。
 彼は言う。「これは決死隊なんかじゃありません!私たちの寿命は、あと15
 年から
20年くらいといったところでしょう。放射能による癌が進行するほどの
 時間
は残されていないのです
!」 彼の呼びかけがなされた後で、247人の
 退職者たちが、自分たちの
責任
感を表明するべく意思表示を行った。こうし
 て「退職者たちの行動隊」が誕生したのだ。  ・・・」
by rijityoo | 2011-06-24 07:19 | 活動の蔵(1、208) | Comments(0)