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WAM平成23年度社会福祉振興助成事業のリーフレットが完成

上記事助成事業で我々は被災地の高齢者に少しでも安らいだ生活をしてもらいたいと、東北関連映画を収めたDVDボックスとプレイアーを送る予定。DVDも編集が完了して現在プレス中。本日DVDの解説書「東北の記録」が出来上がる。来年早々、岩手県の盛岡市、宮古市、大槌町を中心に配布予定。

なお、DVDボックスの希望者は科学映像館まで申し込まれたい。電話049-231-2563
メール:kumegawa@kagakueizo.orgまで。

DVDボックスの主な内容は以下の通りである。


東北の記憶
このDVDは、1950年代から、1990年代の終わりまで、言い換えれば昭和20年代末から、平成10年代まで、およそ50年間に東北や東日本で記録された映像作品を集めたものです。

東北の記憶1には、1950年代、ようやく日本が敗戦から立ち直ろうとした時代の東北地方の人々の暮らしや文化の記録が収められています。このころ、映画の世界では大変革が始まろうとしていました。本格的なカラーフィルムの時代が来たのです。意欲的にカラーフィルムによる映画制作に取り組もうとしていたプロデューサー、岡田桑三(1903~1983)の率いる東京シネマは、地域最大の代表的企業である東北電力に、その最大のお得意先、各地の農家のために、新しいカラーフィルムで撮影した記録映画を製作することを提案したのでした。

冒頭の作品、「粟野村」は、現在の福島県伊達市で記録された農村電化の記録で、1954年に日本国内での現像が始まったイーストマンカラーで撮影された最初の作品の一つです。引き続いて製作された「新しい米つくり」や、「この雪の下に」、そして「東北のまつり」シリーズは、それまで白黒で記録されていた世界を色鮮やかな画面で紹介し、非常に注目を集めた作品群です。「この雪の下に」と「東北のまつり」の演出をした野田寅吉(1916-1993)は、日本を代表する記録映画作家の一人です。彼は後年、民俗映像に関心を移していきましたが、これらの作品での経験が、大きなきっかけとなったと思われます。

東北の記憶2には、1970年代から80年代にかけての二つの記録映像が収められています。カツオの魚群を追いながら、各地を転々とする漁船とそこで働く蓮しい海の男たちの姿を漁船に同乗して見つめた、黒田プロダクションの「翔べ!カツオ鳥」と、中尊寺金色堂の修復作業を長期にわたり詳細に追った目映科学映画製作所の「よみがえる金色堂」です。全く対照的な、ふたつの作品ですが、いずれの作品も携わった製作スタッフの対象に対する熱い想い感じさせる優れた作品です。

前者は、スポンサーなしの自主企画作品ですし、後者は、日本の女性映像作家の草分けである中村麟子さん(1916-2009)が、長年にわたってスポンサーのつかないまま、社内スタッフを説得して製作を続
けていた作品です。当時、新たに中尊寺の大僧正となられた作家、今東光氏がその苦闘を伝え聞かれ、本来、中尊寺自体の企画ですべき事と支援を決断され、ようやく仕上げが実現したと聞いています。このような作品を提供してくださった関係者には本当に感謝です。後者は、16mmフイルム原版から直接ハイビジョン・ネガテレシネでデジタル化を行っています。

東北の記憶3には、1996年に当時の環境庁が選定した「残したい日本の音風景100選」の東北各地の音風景の音と映像による記録を11編、収めています。DVD1枚にまとめるという制約上、東北地方から選ばれた全ての音風景が、含まれているわけではないことをお断りしておきます。

ここでは、東日本大震災で大きな被害を受けた地域の映像に重点を置いています。このため、茨城県の「五浦(いづら)海岸の波音」も収めています。この地には、近代日本画の確立に尽力した岡倉天心(1863-1913)ゆかりの遺跡が多くありますが、その一つ六角堂は、大津波によって消失し、今のところ、このような映像で、その姿を偲んでいただくしかありません。ここに収録できなかった分も含め、今後、科学映像館ウェブサイトで順次、配信していく予定です。

NPO法人科学映像館は、上映・放送など公開の機会の少ない優れた映像作品を少しでも多くの人々に見られるよう、2011年秋現在で、450作品以上を、インターネット環境が整備されてさえいれば、いっでも、どこでも、だれもが自由にご覧いただける無料配信を行っております。

http://www.kagakueizo.org/

このDVDは、東日本犬廣災被災者支援のため、賛同した権利者が無償提供した映像で構成された非売品です。入手された個人や施設は、数多くの方々にご覧いただけるよう、有効活用に心がけて下さい。死蔵をさけるため、無償譲渡されることは、構いません。但し、有償で転売すること、放送類似行為に使用することは、権利者の好意に逆らうことであり、絶対にしないでください。

東日本大震災に被災されたみなさまの復旧・復興のご努力に深い敬意を抱きつつ。

このDVDはNPO法人科学映像館と東京シネマ新社が行いました。ご質問やご意見は、
NPO法人科学映像館を支える会350-1103埼玉県川越市霞ヶ関東3-1-16TEL/FAX:049-231-2563

E-MAIL:kumegawa@kagakueizo.org にお寄せください。
by rijityoo | 2011-12-03 18:59 | 活動予定(395 ) | Comments(0)