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満5年を終えて(その3)

2007年5月1日記念すべき第一号作品HD化した「生命誕生」を配信して以来、主として生命科学映画30作品を。しかし、毎月の再生回数は予想に反して少なく数百回前後。6月には川口市のスキップシテイで自主上映会を開催。しかし参加者は関係者が主体で、わずかに30人程度。活動の前途に暗雲も。

秋ごろ、東北文化財映像研究所の阿部武司氏から、科学映像館活動に感動したとのメールが飛び込む。その後、「昭和初期 9.5mm映画」、「よみがえる農民魂」など5作品が届く。9.5mm映画は大正末期から昭和初期に使用されたフランス,パテー社製の撮影機により撮影されたもので、フィルムの中央にコマ送りの穴がある珍しい作品。

モノクロ、無声、フィルムには傷も多く、配信を躊躇したこともあるが、昭和初期の東北地方農家の生活、お花見など懐かしい記録。しかも今回の大震災の津波で被害にあった、昭和8年三陸津波の直後に開設された陸前高田駅の映像が。これらは震災後TBSの番組でも使用される。地元にとっては、かけがいのない貴重な映像である。映像保存の大切さを実感。今回の津波では公私の映像が失われたことは、大変残念。

第一作品の配信6か月後の11月2日夕方、スタッフが「68の車輪」をサイトに掲載。再生回数に異変が起こる。夕食後、ログ解析を見ると、すでに500回を越えた再生回数、週末の2日間でなんと3,000回。サーバー管理会社がチェックの結果、例の2ちゃんねるに書き込まれたらしい。11月8,000回の再生回数を記録。
以後、数百が数千と一挙に約10倍に。この作品は常にトップを走り続け(創設以来配信映画で5位にランク)、科学映像館活動の牽引車の役割を果たすことに。

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この作品、茨木の日立工場で製作した大型変圧器(約300トン)をばらすことなく、常磐線で柏駅まで列車で輸送。全長48mのシュナ~ベル式トレーラで野田市内を時速20kmで運ぶ模様を収めた記録映画。戦後の産業復興を支えた輸送の貴重な作品。いわゆる大型設備運搬の先駆け。この映画を最後まで配信をためらっていた、管理者の無能力ぶりを実感。閲覧数に迎合するわけだはないが、一人よがりは?以後、最初考えていた配信映画の選定などは一切取りやめることに。
by rijityoo | 2012-04-11 08:20 | 活動の蔵(1、208) | Comments(0)