2012年 04月 13日
満5年を終えて(その7)
この映画は1939年完成した「理科映画大系」中の一編である。吉原順平氏の「ショートフィルム再考ー映画館の外の映像メデイア史」によると、教材映画の制作に、銀座で楽器、レコードなどを販売していた、十字屋が大きな役割を果たしたようである(現材も映画製作以外は銀座に存続)。
十字屋の代表者倉田繁太郎氏は、1934年国産の16mm映写機を製作、販売。とともに小学生用の教材映画シリーズ「理科映画大系」25作を1939年に完成。製作者には小林米作,鈴木喜代治氏らが参加している(小林氏昭1938年入社)。第2次大戦直前である。今回の映画はこの大系中の作品のようでる。
当日、 「かえるの話」、「 もんしろ蝶の話」、「 地蜂」、「 とんぼの話」と「 さくらの話 」の5作品テープを預かり、東京光音でDVDの作成へ。学研が映画製作を始めた初期に、「理系映画体系」を入手して製作の参考にしていたらいしい。最近、学研は教育映画の製作を中止、その際、これらの資料は廃棄されることに。映像を愛する小川氏が、それらをそっと保管していたもの。
その後、学研の「カニの誕生」も是非、配信して欲しいとの希望もあり、その他、全14作が提供される。ここにも小川氏との出会いから、十字屋、学研初期の作品への配信が始まる。またこの配信は、朝日新聞科学欄の記事へと繋がるのである。その内容は次号でご紹介する。