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満5年を終えて(その28)

科学映像館活動の5年間を27回にわたり、書き綴ってきた。映画関係者でもなく、大学時代は私立歯科大学解剖学教室に32年間籍を置き、教育と研究生活を送ってきた筆者が、なんで、ここまでこの活動に入れ込んできたのか、不思議に思われる方もと、最後にこの点に触れておきたい。

そのため筆者のプロフィールを少しだけ明らかにしておきたい。大阪大学大学院を卒業後、3年間、テキサス州ヒュウストンのテキサス大学ヒュウストン校で、3年間Dr,G.G.
Rose博士のもとで研究生活を送る。彼は器官培養(器官・組織などを積極的に培養)の大家であり、Roseチャンバー考案者としても知られる。

筆者が留学時、彼は、このチャンバーに培養液を還流させ、長期間培養できる装置を開発中であった。グッドタイミングの3年間であったわけである。開発中のこの装置をいたただき帰国したが、当時日本の大学は紛争中で、落ち着いての研究どころではなかった。3年後、新設の城西大学歯学部に招かれ、大阪から埼玉へ移り、40数年となる。

この装置は培養関係者の目に留まり、ほぼ毎日のごとく日本全国から研究者が見学に訪れ、片田舎の大学生活も、2年間に訪れた200人前後の見学者や短期の研修者とともにおかげで楽しく過ごすことが出来たのである。その中には、著名な先生が、池袋から東武東上線で約2時間かけてこられたことも。ウイルス性肝炎、体外受精、重金属、水銀の人への副作用判定など多くの分野で活用され、共同研究者として名を連ねたことも。この装置は筆者に日本の学会でのデビュウの機会を与えてくれたのである。
by rijityoo | 2012-04-22 08:11 | 活動の蔵(1、208) | Comments(0)