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20年前に行った研究成果が花開き、お役に立つかも

帝京大学名誉教授遠藤浩良先生から、20年前がよみがえる、胸躍るメールが届く。骨組織は骨を作る細胞である骨芽細胞と壊す破骨細胞で構成されている。正常な骨では、両細胞がバランスよく働き、骨の量は維持されている。

ところが今問題になっている骨粗鬆症では、骨破壊が形成を上回り、骨の量が減少する。この治療にはここ30年いろいろな薬が開発され、使用されてきたが、どれも一長一短で、新薬の開発が期待されてきた。


大学時代、製薬会社との共同研究で、骨を破壊してる破骨細胞が作っている新しい酵素を発見し、その働きを明らかにした。その酵素がカテプシンkである。この酵素は骨を構成しているコラーゲンの分解に関与しており、この酵素の働きを阻害すると、骨破壊が止まることを明ににしたのである。

その後、世界の数社でその阻害剤の開発を競っていたが、アメリカのメルク社が臨床実験を終えたとのことである。いよいよとの感じである。遠藤先生からいただいたメールは以下のとおりである。


「 Merck社は、7月11日、カテプシンK阻害を機序とする骨粗鬆症治療薬 odanacatib (オ
ダナカチブ; http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22113859 )の治験第3相試験について、
途中解析結果で良好な有効性が示されたことから、予定を切り上げてこれを打ち切り、早々
と試験終了の手続きを開始することを発表しました。
( http://www.merck.com/newsroom/news-release-archive/research-and-development/2012_0711.html )

  これでメルクは、来年前半には日米欧でオダナカチブの製造販売承認申請をする予定の
ようです。

  欧米のメディアでは、今この報道で持ち切りで,

 〇 http://www.pharmatimes.com/Article/12-07-13/Merck_halts_Ph_III_trial_of_osteoporosis_drug_on_success.aspx

 〇 http://www.bioportfolio.com/news/article/1105212/Merck-Announces-Update-On-Odanacatib-Phase-Iii-Trial-For-Osteoporosis.html

 〇 http://www.huffingtonpost.com/2012/07/12/odanacatib-osteoporosis-drug-fracture-bone_n_1666631.html

等々、枚挙に暇がありません。

  何せ世界に冠たるメルク社のことですから、骨粗鬆症薬もPTH薬時代からカテプシンK
阻害薬時代に移るのかなという匂いがプンプンしますね。」

カテプシンK物語の原稿依頼の来ることを期待したい(?)

                               
by rijityoo | 2012-07-14 10:19 | 活動の蔵(1、208) | Comments(0)