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久米さんの科学映像便り
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プロフィール
科学映像館理事長の久米さん。映像遺産を守り、生かすための日々!
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本日会員に発送した便り
皆様へ

久々に御便りをお送りします。小生も自分ではまだまだと思っていますが、本年9月には78歳になります。此の春から埼玉医大の川越クリニックへ家内とリハビリに通い、本月から介護予防の運動教室で週2日2時間のストレッチと筋トレで頑張っています。もうそんな年になったんですね。

では最近の活動についてご報告します。

(1)科学映像館活動も6年目に入り、8月第2週には500回記念作品をお届けする運びとなりました。ほんとに皆様のおかげと感謝します。記念作品は「山のこだま」です。

熊本県球磨川上流で生まれた中学校の合奏団が全国大会に優勝するまでの道のりを
記録した映画です。「音楽づくりの原点は人づくり」にありと製作者は結んでいます。ご期待ください。

(2)配信ホーマットを一新
本年4月から、スマートホーンにも対応できるよう、配信ホーマットをバージョンアップしました。
Mac.Andorid,iOSも視聴可能となりました。7月に入り、これらの使用も増加し、20%を超えてきました。

(3) さまざまな助成事業を行いました
①昨年度は年賀寄附金の助成を受け、映像の理科教育への支援事業を行いました。
子ども大学かわごえで2回の上映会、ふくい科学学園の夏季研修会と徳島県美馬市17小中学校の事業で映画を活用しました。
②独立法人医療福祉機構の助成金で岩手県の被災者に東北に関連した映像のDVDボックスと地元で購入したDVD200セットを配布しました。
③赤い羽根共同募金からの助成金で同様の事業を行い、大変喜ばれました。

(4)Web サイト「NPO法人科学映像館」にデーターベースと検索システムの導入を考えています。

(5)大学時代行った仕事に脚光が
この科学映像館を立ち上げる切っ掛けは、骨の映画「The Bone」の制作を手伝ったことです。15年間に骨の映画を3作品を小林米作さんとともに作り、骨の生きた営みを明らかにしました。

映画から得られた情報をもとにいくつかの事を解明しましたが、その一つに破骨細胞が特異的に産生している酵素「カテプシンK]の同定がありました。当時のチバガイギーと山之内製薬との共同研究でした。この酵素は骨の基質の一つであるコラーゲンを分解します。

骨粗鬆症薬としてカテプシンKの阻害剤注目され、世界の大手製薬会社がその開発に参入していましたが、いい結果が得られたようです。その結果と今後について遠藤日記が届きましたのでご紹介します

「遠藤浩良です。

  小生は、かって現役時代には、胚性のまだ軟骨の塊である未分化骨原基を in vitro に培
養し、試験管内でこれを石灰化させて立派な骨にまで分化させることを研究テーマにしていま
したから、今でも骨粗鬆症薬の開発には多大な関心があります。今日はその視点から、湯気
が出ている新しいお話を一つ致しましょう。
  
  Merck社は、7月11日、カテプシンK阻害を機序とする骨粗鬆症治療薬 odanacatib (オ
ダナカチブ)の治験第3相試験について、途中解析結果で良好な有効性が示されたことから、
予定を繰り上げて打ち切り、早々と試験終了の手続きを開始すると発表しました。

http://www.merck.com/newsroom/news-release-archive/research-and-development/2012_0711.html

Updeate on Phase III Trial for Odanacatib, Merck's Investigational Cat-K Inhibitor
for Osteoporosis     Study met its primary efficacy outcomes at first planned
interim analusis and is being concluded early

  この治験薬は、動物実験では、卵巣摘出サルを更年期女性の骨粗鬆症モデルとして、良好
な結果が得られたことが既に報告されているものです。

         http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22113859
J Bone Miner Res. 2012 Mar;27(3):509-23. Odanacatib reduces bone turnover and
 increases bone mass in the lumbar spine of skeletally mature ovariectomized
 rhesus monkeys.

  これでメルク社は、来年前半には日米欧でオダナカチブの製造販売承認申請をする予定と
のことです。それで、欧米のメディアは今この報道で持ち切りで,

 〇 http://www.pharmatimes.com/Article/12-07-13/Merck_halts_Ph_III_trial_of_osteoporosis_drug_on_success.aspx
    Merck halts Ph III trilal of osteoporosis drug on success

 〇 http://www.bioportfolio.com/news/article/1105212/Merck-Announces-Update-On-Odanacatib-Phase-Iii-Trial-For-Osteoporosis.html
Merck announces updae on odanacatib Phase III trial for osteoporosis

〇 http://www.huffingtonpost.com/2012/07/12/odanacatib-osteoporosis-drug-fracture-bone_n_1666631.html
Odanacatib: Osteoporosis Drug Reduces Fracture Risk in Trial

等々、まったく枚挙に暇がありません。

  何せ世界に冠たるメルク社のやることですから、世界の骨粗鬆症薬も、ビスホスホネート薬
からPTH薬に代わったと思った矢先に、やがて間もなく、今度はPTH薬時代からカテプシンK
阻害薬時代に移って行くのかなあ、という匂いがプンプンして来ますね。

  でも、 odanacatib オダナカチブ の下記構造を見てください。この biphenyl 骨格は、PCB
(polychlorinated biphenyl)の例をひくまでもなく、我々の生体内では極めて分解し難い基本
構造ですから、第4相(市販後臨床)に入ったら、思わぬ副作用に見舞われる可能性が大きい
のではないでしょうかねえ。(この開発を企図した他社では、そんな内部資料をお持ちのように
漏れ聞いています)

Odanacatib (MK 0822) Chemical Structure

  と言うわけで、しばらくは、大いに注目しつつ、しかし冷静に事態の推移を見守って行き
ますので、何か起こりましたら亦報告します。」 
by rijityoo | 2012-07-15 11:11 | 活動の蔵(1、208) | Comments(0)