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カテプシンK物語~成熟破骨細胞の分離~

生態においては、様々なホルモンやファクターがある特定の細胞、組織および器官に直接作用するか、あるいは他の細胞や組織を介して間接的に働くことが考えられます。そのために個々の細胞や器官などを採取して調べる方法が従来から用いられてきました。いわゆるよくご存知であるところの「細胞培養・組織培養・器官培養」です。

骨組織でも同様のことが考えられます。あるホルモンは破骨細胞に直接作用するのか、または骨芽細胞などを介して間接的に作用するのか、です。

そこで我々の研究室では、様々なファクターについて破骨細胞に直接作用するか否か、を調べることが出来る系を求めて実験を行いました。骨細胞群をコラーゲンのゲル状で培養し、他の細胞を酵素処理で除去してゲル内の破骨細胞を採取するといった方法で、明海大学の大学院生と、日本歯科大学の国内留学生が考案したものです。

この分離方法の肝は、破骨細胞であるカテプシンK(?)がコラーゲンゲルを分解してゲル中に埋没することです。そうであれば処理方法は簡単で、1日培養した後、ゲル上の他の細胞を洗って酵素を用いて除去したのち、ゲル中の破骨細胞をコラゲナーゼで分解して細胞を取り出し、骨吸収アッセイ方法を用いて活性を測定します。

この分離方法の詳細とその結果、ならびにピットアッセイ系はこちらの作品でご覧になれます。

参考論文
Kakudo,S.,et al:Isolation of highily enrichided rabbit osteoclasts from collagen gells.An new assay system for bion-resobing activity of mature osetoclasts. J.Bone Miner.metabol. 14:129-136,1996

Kameda,T.,et al:VitaminK inhibits osteoclastic bone resorption by osteoclast appotosis.Biochem.Biophys.Res.Commun.,220.515-519,1996

Mano,H.,et al:Mammalian mature osteoclasts as estrogen target cells.B.B.R.C.223,637-642,1996
by rijityoo | 2012-07-24 09:22 | カテプシンK物語(23) | Comments(0)