2012年 10月 06日
科学映像館物語6~補足
科学映像館活動について科学評論家松浦信也氏から高い評価いただきました。彼のブログ松浦信也のL/D2つの映像アーカイブでは、
「 インターネットの出現で、情報のありようが2つの面で変化した——そう私は考えている。
ひとつは同時性。あらゆる情報が瞬時に拡がり、共有されるようになった。
もうひとつが通時性。ネットに貯蔵された情報はすべて等価であり、どんなに古い情報も、埋もれてしまうということはなく、瞬時に引き出すことができる。
この通時性に関する、非常に素晴らしいサイトを2つ発見した。
まず、朝日ニュース昭和映像ブログ。
昭和30年代の、ニュース映画を観ることができる。当時の日本がどんな状況だったのか、どんな雰囲気だったのか、貴重な記録をネットで閲覧できる。
様々なニュース映画を観ていると、「ALWAYS 三丁目の夕日」に代表される「昔は良かった」系のフィクションが虚構であることが実感される。昔は昔で、欲望と欲求不満と騒然とした社会状況の中で、皆、いがいがとトゲを突き出しつつ必死に生きていたのだ。
そして科学映像館。
こちらは昭和20年代以降多数作られた科学映画の映像をネットで公開している。制作大手の岩波映画の映像が収録されていないのが残念なのだけれども(何か権利関係の理由があるのだろう)、僕らの先輩が科学というものをどのように映像化してきたかを、一望することができる。
こちらは、スタッフロールがしっかりしているので、思わぬ作曲家がとんでもないところで映画音楽を付けているのを見つけるという楽しみもある。
こういう過去の情報を、誰でも閲覧できる形でのアーカイブ化は、社会の基礎的な情報インフラストラクチャとして、とても大事だ。NHKが今、過去の番組を次々にデジタル化しているが、これも適切な形式でネットに広く公開されるべきだろう。」
朝日ニュース昭和映像ブログは諸種の事情で閉鎖した模様、残念なことです。そしてこの仕事を続けることがいかに大変かでしょう。
また我々のWebサイトの企画は的を射たものであることも評価されていました。映画の情報に関するデーターベース化も検討しています。
デジタル化には相当な費用を要しますが、最初4作品のHD化は、小林米作氏のご子息である小林健次氏をはじめ2,3の方のご寄付、株式会社東京光音とみの電子産業株式会社のご支援によるものでした。ここにあらためて感謝申し上げたいと思います。