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久米さんの科学映像便り
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プロフィール
科学映像館理事長の久米さん。映像遺産を守り、生かすための日々!
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科学映像館物語 11~小林米作氏、初期の貴重な作品が見つかる~
「科学映像館物語」、第11回は2008年以降のお話を中心に伺いたいと思います。先生、今回もどうぞ宜しくお願い致します。

2008年4月、埼玉県ふじみ野市にあった事務所から自宅に活動拠点を移しました。ふじみ野の事務所にはスタッフもおり事務作業などをすべて任せていましたが、自宅に移転してからは事務作業もすべて一人で行うこととなり、大変でした。PCの設置や設定など、最初の頃は業者に来てもらったり、近隣の人に手伝ってもらってなんとかやっていました。

NPO法人の設立と運営にあたって、財源の確保が大きな問題であることは前回でもお話しましたが、この頃「埼玉県文化振興基金」による助成事業に応募し、二年連続で採択されました。この申請書式も自分で作成しましたが、ヒアリングのため埼玉県庁に出向く必要もあり本当に大変でした。配信作品の一部はこの助成金によるもので、作品紹介でも明記しています。

その後も週一回のペースで作品の配信を継続しました。68の車輪以降、再生回数は月間1万回ペースに上昇して、大体そのくらいの数字で推移していました。
科学映像館物語 11~小林米作氏、初期の貴重な作品が見つかる~_b0115553_7304513.jpg


そのように作品配信を続けていた2009年の4月、一本の電話がかかってきました。学習研究社(現:株式会社学研ホールディングス)デジタルコンテンツ事業部で演出を担当していた小川博孝氏からで、「銀座十字屋が1930代後半に制作した作品を持っています」という内容でした。早速アポイントを取り、その夜,最寄りの駅で小川氏と会うことにしました。

ここで十字屋について少しお話しましょう。十字屋はもともと書店として明治のはじめに創業された会社で、その後楽器も扱うようになりました。1920年代半ばには9.5mmのカメラや映写機などの取り扱いも始め、さらに1934年からは教育映画も制作するようになりました。有名な「理科映画大系」です。この十字屋映画部には当時カメラマンとして小林米作氏も参加していたのです。

小川氏と会って話をするなかで、氏がその十字屋の「理科教育大系」のうち地蜂とんぼの話さくらの話など5作品を保有しているということを聞き、作品のDVDを預かることとなりました。非常に貴重な作品でしたが、氏はほかにも戦後学習研究社で制作された教育映画、「カニの誕生」カニの誕生カブトムシの研究モンシロチョウなど13作品についても、捨てずに保管していたということでした。

長野県で育った小林米作氏は地蜂をよく知っており、題材にしてこの作品を制作したのではと思われる。地蜂に関する資料はこちらまた「さくらの話」では、花が咲く模様を微速度撮影で追っていますね。

もし小川氏が保存されていなかったら、これらの作品は日の目を見ることはなかったかもしれません。後日小川氏を介して銀座十字屋にDVDをお届けしたのですが、十字屋もこれらの映画を持っておられなかったので、大変喜んでいたとのことです。

この小川氏との話を、別の機会に朝日新聞編集委員の辻篤子氏にメールで伝えたところ「それはすごいこと」と、同社科学部の米山正寛氏を紹介してもらいました。氏は2008年5月末頃に私の自宅事務所を取材に訪れたのですが、この話題を単に小さい記事としてではなく本格的に取り上げたいとのことで東京シネマ岡田一男氏やヨネプロダクションの大沼鐵郎氏にも取材を行ったようです。その結果できあがったのが2009年9月25日付朝日新聞朝刊科学欄に掲載された,「科学映画を守って活かして」という記事でした。

この記事の効果は非常に大きなもので、これまで月間約1万回前半で推移していた再生回数が、倍以上の月間2万4,000回程度にまで上昇しました。おかげさまで再生回数はその後2010年に至るまで2万回弱で推移しています。この記事による紹介は、科学映像館にとって大きな転機となりました。

新聞の効果は本当に大きなものがありますね。

そうですね。この記事のおかげで、科学映像館の社会的な評価は一段とたかまりました。

科学映像館と縁の深い小林米作氏ですが、私は前述の小川氏の縁で、十字屋の科学映画を通じて小林米作氏と再会することができました。当時の十字屋映画部には他にも太田人吉氏、鈴木喜代治氏など錚々たる顔ぶれが揃っていました。小林米作氏は十字屋映画部でカメラマンとして活躍した後、1941年12月に勃発した太平洋戦争の従軍カメラマンとしてインドネシアのジャカルタに渡ることとなります。

学習研究社も1990年代まで教育映画を制作していたようですが、やはり時代の変化なのでしょう。現在では教育映画を手掛けておらず、学習研究社も経営の主軸は学習塾の運営に移っているようです。新しい科学映画がなかなか生まれない現在だからこそ、理科教育、科学教育においてこの科学映像館が果たすべき役割も一層大きなものとなっていると言えるかも知れませんね。

助成金の申請など事務作業にも忙殺されながら、毎週継続して科学映画を配信されていたこと、そして科学映像館設立のきっかけとも言える小林米作氏の活動初期の作品を通じて、再会を果たすことができたのがとても印象的に感じました。次回もまたぜひ貴重なお話を聞かせて頂ければと思います。先生、どうも有難うございました
by rijityoo | 2012-10-21 22:22 | 科学映像館物語(18) | Comments(0)