2012年 10月 31日
音風景 秋田 山形 全3話
制作:東京シネマ新社 企画:日本ビクター 1998年 カラー 30分
①風の松原 9分50秒
能代市街地をやさしく包み込んでいる黒松林の「風の松原」は、秋田県の北西部に位置する能代海岸砂防林の愛称である。その規模は南北14キロにわたってつづく松林で、日本の五大松原の一つにかぞえられている。
日本海から吹きつける潮風(北西風)と飛砂に背を向けて同じように傾く松林は、砂防林の役目を十分に果たすとともに、四季折々の散策、くつろぎの場、憩いの場として、市民生活と深い関わりを持っている。
黒松林を吹き抜ける風に枝々がいっせいにざわめき、風の音と松の音が渾然一体となって「松籟」という音風景をつくりだす。季節、場所、樹齢によって微妙に違う松籟はまさに千変万化である。
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②松の勧進のほら貝 9分56秒から
大晦日から元旦にかけて羽黒山頂で繰り広げられる、出羽三山神社の三大祭りのひとつ「松例祭」。その浄財を集めるために行われる伝統行事が「松の勧進」だ。
毎年12月1日、市内の日枝神社に羽黒山の山伏が集結し、参拝後に旧庄内藩主の酒井家に城下を勧進するあいさつをする。
山伏たちは、法螺貝の「ぶぉ〜、ぐぶぉ〜」という、なにかを呼び起こすような音を響かせながら、家内安全などを祈ったお礼を各家庭に配り歩く。
山伏の姿と法螺貝の音は、12月中旬まで、市街地のいたるところで出会うことができ、鶴岡に師走の訪れを告げる、伝統的な風物詩となっている。
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③最上川河口の白鳥 20分40秒
最上川は、「五月雨を集めて早し最上川」と俳聖松尾芭蕉の『奥の細道』でも詠まれているように、北に鳥海山、南に月山の雄峰を仰ぎ、堂々とそそぐ日本三大急流の一つとして知られている。
日本一の白鳥の飛来地である最上川スワンパークは、出羽大橋上流200メートルのところにあり、粉雪舞う最上川河口に白鳥が飛来したのは、大正初期からといわれている。
昭和47年(1972)に鳥獣保護区に指定され、以来毎年白鳥たちはそこに集まり、最上川を喜び、満喫するかのような鳴き声を上げる。平成7年度には、6千余羽の白鳥が飛来して、さらに脚光をあびている。
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