2012年 11月 15日
科学映像館物語16への補足
配信映画は創設以来医学・歯学系の学部、大学院で授業やセミナーによく使用されていましたが、その後さらに薬学、食品関係学科へと広がりを見せていきました。
この動きは昨年、さらに工学関係学科にも広がっていきました。昨年から本年にかけて問い合わせが多くなった映画として振動の世界が挙げられます。
1940年11月7日、振動工学史上の一大事件が起こりました。世界第3位の吊り橋であるタコマ橋(米国)が、風速わずか19m/sの風で共振し、崩壊してしまったのです。その映像がこの「振動の世界」に収録されているのです。しかもこの映像は近隣の写真屋さんが撮影した貴重なものでした。
「丁度この頃日本では吊り橋の建設計画があり、一時工事を中止する事態となった」という話をこの映画の制作者から伺いました。この映画については、企業の新人研修会で使用したいとの問い合わせが次々に舞い込んできました。
また昨年は被災地の支援事業以外に、年賀寄附金配分による助成事業として「教育映画の理科教育のための支援事業」が採択されました。若者たちの理科離れが問題になっている今日、配信映画を通じて科学の大切さ、面白さを子どもたちにも知ってもらうため「こども大学川越」などにおける映画の上映会や、徳島県美馬市における17の小中学校で映画を取り入れた授業が試みられ、大きな成果が得られました。
徳島県美馬市小中学校の授業に映画の使用
さらに「ふくい科学学園」と協同で映画の内容に関連した理科実験を行い、子供たちに科学技術への関心と興味を体験させようという新しい試みも行っています。科学映画の内容から様々な理科実験が引き出されるアイデアの豊かさは見事なものです。また子供たちも目を輝かせて実験に取り組む姿は本当に素晴らしい。子供たちの今後が楽しみですね。科学映画の活用は我々が望んでいたことであり、今後の展開を一層楽しみにしています。
