2012年 12月 27日
農地を荒廃から守る小さな努力を積み重ねていグループの活動記録
眼前に展開する農地の荒廃を座視するにしのびず、都市住民と農村住民が手を携えて事に当たろうと、静岡の宮城正雄が小田原の報徳博物館の報徳ゼミで呼びかけたのが平成5年11月、80歳の時であった。それから5年の研究活動を経て、平成10年5月、有機農業研究で著名な鳥取大学名誉教授津野幸人博士の指導のもと、掛川市水垂に7㌶の農地を60名の会員が耕作に従事する「学園花の村」が設立された。「光陽の里」である。
それから10年後、宮城正雄は学園花の村近くに、新たに二地域居住型の「倉馬の里」を設立し、今又隣の菊川市に三番目の市民農園「南風クラインガルテン」の創設に取組んでいる。
ビデオ「皆でやろう小さな農業」は創設期の「光陽の里」1年間の生きた記録である。其処には都会の生活の中では忘れ去られた笑いに包まれた仲間とのふれあいの毎日がある。癒しを生み出す土の力をこのビデオの中にご覧いただきたい。
我々は今日も農地を荒廃から守る小さな努力を積み重ねている。その日々の記録は2ヶ月に1回出版の学園花の村の機関紙「はなの村だより」に刻まれている。併せてご覧いただきたい。
農水省の統計は、この20年間荒廃農地は増え続けていることを報告している。有識者が集まり、対策を講じて今なお見通しが持てないままである。昭和恐慌時に「自力更生運動」が下から湧き上がり、それが国の農政の柱となった過去を思う。われわれの活動に将来の展望を開いてくれるリーダーの出現を待つこと久しいものがある。(学園花の村広報担当 伊藤公博)