2012年 12月 28日
「へき地薬局」と言う言葉を知っていますか
高松市に接している今回話題の「さぬき市」も、市町村合併で広域化し、南端の多和地区は徳島県美馬市に接している。美馬市に帰省の折、高松空港からの途中の地域らしい。香川県でも過疎化がここまで進行しているのかと再認識している。遠藤先生からの「へき地薬局」の話題をご紹介します。
「徳島県境に近い香川県さぬき市多和地区に25日、県内初の「へき地薬局」が開設された。採算が合わないため過疎地で調剤薬局を開設するのは難しかったが、国の「総合特区制度」の事業費で初期投資の一部を賄うことで実現した。安価な後発(ジェネリック)医薬品を増やすことなどで患者にメリットがあるという。県は薬の宅配制度も整え、島嶼(とうしょ)部を含めたへき地医療を充実させる考えだ。(小野隆明)
同地区には市の診療所があり、医師が週2回通って診察している。院内処方で薬を出してきたが、医師や看護師の負担が大きく、在庫管理も難しいため、薬の種類が限られていた。
薬局開設のきっかけは、診療所の移転。市が近くの旧保育所に移すことになり、県などが空き部屋を利用することを計画した。
県は、規制緩和のほか財政支援の恩恵もある「医療福祉総合特区」の認定を受け、へき地医療の充実を進めている。その事業費の一部で投薬情報を管理するパソコンなどを購入した。
運営の主体は、県内の薬剤師や徳島文理大香川薬学部の教授らでつくるNPO法人で、診療所の開所日に薬剤師2人を派遣し、服薬指導にあたる。胃腸薬などの大衆薬の販売もする。
県内には、へき地診療所が島嶼部を含めて19か所ある。多和地区のようにスペースや薬剤師を確保することが難しいところも多い。
そこで、県は他地区では〈薬の宅配〉を普及させる考え。薬事法などでは、薬剤師は患者に対面で副作用などを説明する必要がある。県は、へき地と中核病院を結ぶために開発したテレビ診療システムを使って、薬剤師が薬局から患者に服薬指導する実験を行い、国に規制緩和を求める。
県薬務感染症対策課は「特区の強みを生かし、過疎地や島嶼部でも都市部と同じ薬が利用できるようにしたい」としている。」