2013年 06月 30日
岡倉天心、横山大観らの活動の拠点であった六角堂がこの海岸に
製作:東京シネマ新社 企画:日本ビクター
1998 カラー 7分56秒
茨城県北茨城市の五浦海岸は、緑の松林を背景に五つの入り江が開け、明治39年(1906年)に日本近代美術の父である岡倉天心が日本美術院の本拠を移し、横山大観や下村観山らと作画活動を行った地である。
海に突き出た断崖の上には、天心が建てた六角堂があった。彼はここで太平洋を眺め、波の音を聞きながら思索したという。
「五浦海岸の波音」とは、六角堂周辺の断崖と、太平洋から打ち寄せる波とがぶつかる音で、時にはやさしく、時には激しく、その時々の自分の心を表しているように聴こえる。断崖に砕け散る波しぶきや、小さな貝を運んでは引いていく波の音、松林をわたる風の音が共鳴する自然の音のハーモニーは、まことに心地よい。
なお、五浦海岸の六角堂は津波により消失したとのことです。