2013年 07月 19日
「名田橋架設工事記録」のダイジェスト版
今回、原作者佐藤和夫氏(87歳)が原版を再編集し、ダイジェスト版を届けてくれる。83歳から新たにデジタルカメラを使用、編集までやり遂げるチャレンジ精神に脱帽。

原版の名田橋架設工事記録はこちらでご覧になれます。
「佐藤一夫氏の言葉」
計画された橋の構造は、当時、日本の長大橋では全く経験したことのないドイツ、デイッカホフ ヴィドマン社の特許工法,デイビダーク式PC工法である。この上部桁の大きな重量を支える下部橋脚の基礎には、これまた、当時としては、沈下施工不可能ではないかと云われた深さ32mにも及ぶ巨大井筒が必要であった。若い技術者の私は燃えた。
今から見えれば当たり前、いや、幼稚かも知れないが、当時としては、最先端の技術を駆使して、斬新なアイデアも編みだしたと自負している。この先進技術を余すことなく、後輩へ伝えねばならない。その伝える方法としては、工事写真、工事記録、日誌等。これでは、どうも適切に表現出来ないのではないか。
そうだ!私の趣味である8mmカメラで、プロの映像には及ばないでも、プロには撮れない細部を詳細に記録したい。この一念がこの架橋工事記録に凝集された。撮影技術はお粗末でも,架橋技術上のポイントは逃さず記録出来たと思っている。冗長にも思えるが、これも止むを得まい。
技術の進歩は素晴らしく速い。4カ年の工事期間中にも次々と斬新な改良が見られた。また、ドイツの示方書の受け売りが、日本の建設材料にマッチしない不都合も発見された。日本の橋梁技術の向上に大いに役立ったと思っている。