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久米さんの科学映像便り

科学映画製作者東京文映社長土屋祥吾氏との出会い

ある映画関係者のご紹介で約3年前、土屋氏と初めてお会いする。科学映像館活動について資料をもとに約1時間ご説明、作品の提供をお願いする。

その後、土屋氏はご提供していただく11作品の素材をお持ちになり、東京光音で再度お会いする。作品を見せていただくと、どの作品も取り上げられたテーマと内容が素晴らしく、配信の許諾をお願いする。

東京光音から最寄りの駅までの間に、作品内容を伺う。主として日本住血吸虫についてのお話し。残念ながら筆者にその予備知識がなかったが、この映画は科学技術映画祭で長官賞を得た作品で、授賞式に同席されていた小林米作氏から「土屋さん、いい作品だ」とお褒めいただいたとことで納得。

その後、土屋氏から会社に関する履歴書と製作作品一覧表作品に関するパンフレットが届き、その素晴らしさをあらためて確認。「脳をつくる」(科学技術映画祭内閣総理大臣賞)、地方病との斗い」(科学技術映画祭長官賞)、「振動の世界」(同長官賞)を始め、17作品科学技術賞長官賞を受賞されている。そして東京文映は科学映画、教育映画で200作品にも余る貴重な作品を世に送り出している。またひとりの素晴らしい科学映画製作者に新たに出会えたことに。

その後、現在配信している11以外の作品をもと、電話でお願いする。しかし、中々いい返事が得られない期間が約2年、少し小生の対応に問題があったようだ。話を重ねる内に、資料から得た表面的土屋氏だけではなく、映画製作に半生をかけた生き様、すなわち映画に取り組んできた姿勢を少しでも深めることができたことは大きな収穫であった。

それは土屋氏がなぜ多く貴重な作品を製作できるのかをある資料、「短編映画の活用を現場から願って」題する記事(自民党機関紙)に見出した。

映画の製作時にまず問題にするのは、映画の主題(テーマ)であるとの内容で、彼はその中で以下のように述べている。「劇映画でも同じことであるが、映画と言う手法によってでなければ語れない、または映画によって、より効果的に伝え得る「テーマ」が明確にされなければならない。何を、誰に見せ、伝えようとするのか。ただ必要だと言うだけでは具体的な企画にならない。映画の主題(テーマ)は映像によって構成されること。これが優れた映画制作の第一歩である。」と。

ついで土屋氏と電話で話す中で、彼が貴重な映画を世に送り出し得たのは、徹底したテーマに関する資料の収集と解析、そして関係者の取材によって得た製作への準備である。そこには土屋氏の人脈の大きさである。

静岡県立浜松高校の同級生には元東大総長有馬 朗人先生を始め、元東電副社長などがおられたとのこと。東京文映の作品には、多くの学術指導者が名を連ねている。監修、指導者の関与がない映画は、信用できないと、よく言われていた。とともに東京文映の作品は、良きスタッフに恵まれて生まれたものと思う。貴重な作品を是非、保管し、未来遺産に加えることが出来ればと願っている。

参考資料
木村繁 地熱利用から「がん」制圧まで サイエンス最前線。朝日イブニングニュース      
    社、1980、東京
山梨県地方病撲滅協会 地方病とのたたかい(体験者の証言)
by rijityoo | 2013-07-30 07:26 | 活動の蔵(1、208) | Comments(0)

今なぜ、科学映像館か? その舞台裏を語ります。