2015年 01月 03日
投稿者久米川のプロフィール
約7年前にウェブサイトに漏れた新情報とか、新配信映画に関する情報を皆様にお届けできれば始めたブログでした。多くの方に読んでいただき、本当にありがとうございました。科学映像館活動をご理解、ご支援いただくべく、ここに投稿者久米川正好のこれまでの道のりと科学映像館サイトの趣旨と推移についてご紹介したいと思います。
投稿者は昭和39年大阪大学大学院終了後、3年間テキサス大学ヒュウストン校に留学。昭和45年城西歯科大学(現明海大学歯学部)に招聘され、解剖学を担当。 在籍中、九州大学、大阪大学など数大学の非常勤講師を歴任。学内では、明海大学国際交流センター所長、図書館長、研究部長、入試委員長を歴任。学外では、厚生省歯科医師国家試験委員、厚生省医療関係者審議専門委員などとして歯科教育に貢献。学会では、日本骨代謝学会長、日本基礎歯科学会長を務め、平成14年に定年退職。
研究では、投稿者は1979年(当時48歳)、科学映画の父、小林米作氏(当時78歳)から骨の科学映画制作の依頼を受け、新研究分野に飛び込む。15年間で骨の科学映画3作品を製作、その情報を下に、教室上げて骨の研究を行い、数多くの業績を世界に向けて発信した。


その中で特筆すべきものは、破骨細胞の研究で、世界で初めて破骨細胞が発現、分泌し、骨の基質であるコラーゲン繊維を分解する酵素,カテプシンKを発見した。この酵素は現在、医学・歯科医学の教科書にも破骨細胞が行う骨破壊の主役となる酵素として記載されている。この酵素の応用面では、その阻害薬が開発され,米国某製薬会社から本年、申請される予定であるとの情報を得ている。1995年約7年かけて発見した酵素,カテプシンKが発見20数年後、多くの方を救える骨の治療薬として実りつつあることは生みの親として感無量である。
フランスの天才画家ロートレックは小さい時から病弱と言われていたが、カテプシンKが先天的に異常であったらしい。この遺伝病は多くはないが、骨の形成異常があり、骨折しやすい。彼は骨折を繰り返し、36歳の若さで残念ながらこの世を去った。


平成14年定年退職後、骨の健康作りの啓発活動のための活動を始め、7年間で27回のセミナーを全国で開催。このセミナーには約6、000人の参加者があり、その内、約4、00
0人の骨密度を測定した。
この活動と並行して、大学時代製作した科学映画を多くの方に見てもらいたい、活かしてもらいたいとストリーミング配信を始める(2004年、You Tube 誕生の年)。2007年NPO法人科学映像館を支える会を設立(ニコニコ動画サイト誕生)し、本格的に貴重な映像をデジタル復元し、ウェブによる無料配信を始めた。以来、毎週木曜日に必ず配信を行い、現在までに719作品
を配信、440万回再生してご覧いただく。2012年から、本邦で初めての事業として、配信映画を国立国会図書館に納品、館内閲覧とデータベース検索を可能にした。2013年からITunesUに200作品を提供している。
以上の研究業績により、平成8年、日本骨代謝学会長賞を受賞。さらに牛乳成分から骨量を増やす乳塩基成分(MBP)を発見し、特定保健用食品として世に送り出したことから、平成14年、文部科学大臣賞を受賞。以上の教育、科学に貢献した業績が認められて平成24年春の叙勲で瑞鳳中受書を受賞の栄誉に浴した。