2015年 01月 13日
2007年科学映像館はスタートするも・・・
科学映像館は生命科学映画の配信を考えてスタート。しかし、当初、再生回数は月数百回(グラフ左),しかも生命科学映画作品も底をつき、この活動に疑問を感じた時期も。そのころ「松浦真也のL/Dブログ」で2つの素晴らしいサイトとの記事に出会い、活動の意義を再確認することができ、大変勇気づけられました。もしこの出会いがなければ、サイトを閉鎖していたかもしれません。以下は松村真也氏の記事です。
「インターネットの出現で、情報のありようが2つの面で変化した——そう私は考えている。
ひとつは同時性。あらゆる情報が瞬時に拡がり、共有されるようになった。
もうひとつが通時性。ネットに貯蔵された情報はすべて等価であり、どんなに古い情報も、埋もれてしまうということはなく、瞬時に引き出すことができる。
この通時性に関する、非常に素晴らしいサイトを2つ発見した。
まず、朝日ニュース昭和映像ブログ。
昭和30年代の、ニュース映画を観ることができる。当時の日本がどんな状況だったのか、どんな雰囲気だったのか、貴重な記録をネットで閲覧できる。
様々なニュース映画を観ていると、「ALWAYS 三丁目の夕日」に代表される「昔は良かった」系のフィクションが虚構であることが実感される。昔は昔で、欲望と欲求不満と騒然とした社会状況の中で、皆、いがいがとトゲを突き出しつつ必死に生きていたのだ。
そして科学映像館。
こちらは昭和20年代以降多数作られた科学映画の映像をネットで公開している。制作大手の岩波映画の映像が収録されていないのが残念なのだけれども(何か権利関係の理由があるのだろう)、僕らの先輩が科学というものをどのように映像化してきたかを、一望することができる。
こちらは、スタッフロールがしっかりしているので、思わぬ作曲家がとんでもないところで映画音楽を付けているのを見つけるという楽しみもある。
こういう過去の情報を、誰でも閲覧できる形でののアーカイブ化は、社会の基礎的な情報インフラストラクチャとして、とても大事だ。NHKが今、過去の番組を次々にデジタル化しているが、これも適切な形式でネットに広く公開されるべきだろう。」2008年の記事です。