2015年 01月 17日
池田ダムの工事風景記録、8ミリ動画で見つかる 三好の愛好家がデジタル化し継承
「池田ダムの工事風景記録、8ミリ動画で見つかる 三好の愛好家がデジタル化し継承 三好市池田町の吉野川上流にある池田ダムの着工から完成までを撮影した約40年前の8ミリフィルムが見つかった。同町サラダの三芳菊酒造に保管されていた。池田ダムを管理する水資源機構池田総合管理所は「工事の進捗状況を記した工事誌や写真などはあるが映像は残っておらず、貴重な資料」としている。
見つけたのはNPO法人マチトソラの武川修士理事長(64)=同町マチ=と、市教育委員会の嘱託で歴史資料を整理する戸家誠さん(64)=同町佐野。市内に残る8ミリフィルムをデジタル化し歴史資料として残す活動に取り組んでおり、「池田8ミリクラブ」の会員だった三芳菊酒造前会長の馬宮謙一郎さん(故人)の遺品を家族に見せてもらった。
その中にフィルムが2本あり、馬宮さんが撮影・編集した「川とともに 池田ダムのあゆみ」と題された計約60分の映像が収められていた。ダムが着工する1968年から完成した75年ごろにかけて撮影したとみられる。
着工前の吉野川の風景に始まり、工事用の道路造成や、河川敷にケーブルクレーンを設置して資材を運搬する様子などがカラー映像で収録されている。音声はなく、BGMを付け編集されている。
ダムが橋の役割を果たすことから、池田町西山の吉野川北岸と同町ウエノの南岸を結ぶ渡し舟は廃止に。映像には渡し舟の船頭が、乗船客を下ろした後に感極まって涙をぬぐう姿も映っている。
武川さんらはこのフィルムをデジタル化しており「行政機関などに提供することも検討したい」と話している。
【写真説明】[上]8ミリフィルムの一場面。池田ダムのゲート部分の建設工事の様子[下]ダム完成で廃止された渡し舟。船頭と和服の乗船客が写っている」