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久米さんの科学映像便り
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プロフィール
科学映像館理事長の久米さん。映像遺産を守り、生かすための日々!
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ロマの人々とクルド民族―差別と排斥・迫害の歴史(4)

(5)ロマの将来に向けて

ロマ問題への国際的な対応として世界銀行を中心に、国連の関連機関やNGOが長期的なプロジェクトを組織して取り組み、「ロマ包摂の十年(20052015)」という報告を纏めた。主要課題を<ロマと非ロマのギャップを埋める>ということに置いて進めてきた。具体的には教育、雇用、住居、保健面の充実であり、端的には貧困からの脱出である。この間の状況はロマの半数が相対的な貧困状態にあり、2割以上が絶対的な貧困ラインの生活を送っている。安定的な雇用は望むべくもなく、多くの場合住居らしい住居は与えられていない。従って保健状態も不十分である。


教育分野では3分の2が義務教育を修了していない。そもそもロマの5分の2が就学していない。ロマが住んでいるどの国をとっても一般の国民とは歴然とした格差の上に置かれている。実例を上げればルーマニアを始め、ハンガリー、チエッコなどではロマの児童に対して教育上の差別が行われている。ハンガリーではロマの児童だけ集めて分離教育を行っており、チエッコではロマの児童は軽度の知的障害の子供たちを集めた学級に入れているとのことである。

「ロマ包摂の十年(20052015)」はロマに対する保護政策の潮流が形成された以後も「反ジプシー主義的」な発言と行動は一貫して続いているとも指摘している。従ってこのプロジェクトは道半ばで、具体的な成果を上げられなかったことを指摘している。引き続き新プロジェクト「ロマ統合2020をスタートさせているが、統合が容易にできるとは考えられない。国際ロマ連盟内に対立があり、政策決定において誰がロマを代表するのかも重要な問題である。


一方ヨーロッパ各国で難民受け入れを拒否するポピュリズム政党が勢力を伸ばしていて、以前から差別されてきたロマに対する圧迫は一層激しくなっている。定住者が増えてきたというものの、依然としてロマは放浪者であり、生活様式も宗教も文化も違うので共生は無理との風潮がある。ロマをこれ以上増やさないために政府自らが国外退去させている国がある。退去させられたロマの多くはルーマニアに入るようだが、わが国にはロマはいないと宣言しているので非合法の入国になり、以前にも増して過酷な環境での生活を強いられている。


これを変えるにはロマ側の努力も必要であり、以前のようにそれぞれがばらばらで横のつながりが薄いという欠陥をなくさなければいけない。1971年第1世界ロマ会議がロンドンで開かれ、14か国からロマの出席があった。その後もこの会議は継続されているが、7年置き、9年置き、10年置きと開く年次も定まらない。連携の悪さや財政難によるものであるが、こうしたことを基本から改めていかなければならない。それでも「国際ロマ連盟憲章」「国際ロマ連盟の宣言」を決めたことは画期的である。「ロマは新しい国を求めない」という宣言をしたのは評価すべきである。どこかの国に割り込んで自分たちの国を創るというのでなく、それぞれが今居る国の一員として共生していくことをはっきりさせたのである。こうした態度に各国は応えて、国民として対等の扱いを進めるようにしてほしいものである。


国連はこれまでロマへの対応について関係国に何度も勧告を行ってきた。例えば「人種差別撤廃員会一般的勧告27では次のような勧告を行っている。

・ロマが自ら望む呼称および所属を望む集団に関して、ロマの希望を尊重すること。

・市民権および帰化に関する立法がロマ社会の構成員に対する差別を行わないこと。

・ロマ社会と非ロマ社会との間の関係(特に地方レベルにおける関係)を改善する努力を行う     こと。

・学校制度の中にロマ出身者であるすべての児童を含めることを支援すること。

・ロマの生徒に対する二言語または母語の指導の可能性を残しながら、可能な限りロマ

の生徒の隔離を防止すること。

・成人であるロマ社会の構成員の読み書きの能力の向上のため、義務教育年限を超えた教育体制を確保すること。

・雇用における差別的慣行を禁止する立法を採択し、より効果的なものにすること。

・行政および公の機関ならびに私的企業におけるロマの雇用を促進するための特別な

措置を講ずること。

・住居におけるロマ社会の隔離を回避することを目的とした政策およびプロジェクトを立案し、実行すること。

・保健・衛生サービスおよび社会保障サービスの平等な利用をロマに確保し、ならびにこの分野におけるロマに対するいかなる差別的慣行も撤廃すること。

・ロマ少数者または集団が、中央および地方のすべての政府機関に参加する平等の機会を確保するための必要な措置(特別措置を含む)をとること。

これらはじょじょに成果を上げつつあり、いくつかの国とその地方議会でロマ出身の議員が誕生している。またEUは経済援助を含めて積極的な対応を進めている。「反差別国際運動」(IMADAは国際ロマ連盟が決めた48日を「世界ロマの日」として、ロマに対する理解を深めるための催しを行っており、日本でも実施されている。


by rijityoo | 2019-04-25 22:48 |  三水会 便り(5) | Comments(0)