2022年 08月 01日
2007年に始まったNPO法人科学映像館活動にもターニングポイント
2004年、私たち「NPO法人科学映像館」は独自のストリーミングサーバーを構築、17作品の科学映画を配信、2007年本格的にだれでも、どこでも、いつでも、何度でも自由に閲覧できるウエブサイト『NPO法人科学映像館』が設立された。最初は生命科学作品のみの配信を考えていたが、許諾される作品にも限度があり、ジャンルを広げて劣化の一途を辿っている作品を1本でも残し、多くの方に観ていただこうとの17年間、配信作品数も1,200弱となる。2010年頃からYouTubeの尺寸制限もなくなり、許可を得たものは同時に公開、その作品数は700本を超え、再作回数は4,400万回、視聴時間も500万時間となり、本当に多くの方がお楽しみ、科学のみならす、いろんなジャンルの映像を見て色んなことを発見、想起されていると思う。また映像は発想の貴重な情報源でもある。実は私たちは、1980年代に科学映画の父小林米作氏のご指導下で骨の科学映画3作品を制作、多核の破骨細胞は細胞癒合により起こることを明らかにした。そしてその破骨細胞が骨を溶解していると思われる映像から、分子生物学的な手法を用いて新規骨溶解物質、カテプシンKへの発見に繋がったのである。The Bone II
創設以来、17年間毎週1作品以上メタデータを付して配信、その作品はいろんな分野で活用、教育、研究会、セミナー、学会、博物館の展示、TVの2次使用、さらに30数回に及ぶ新聞、雑誌による紹介などで当館の社会的な評価が高まってきた。一方、提供会社にも限度とデジタル化費用の問題もあり、4,5年前活動中止も検討したこともあった。運営費を救ってくれたのは、歯科医院の撤去冠の寄付、約6割を占めている。
作品の提供は視聴者側からの贈呈が急増、この1年間で約、70作品、うれしい悲鳴である。まず堀尾尚人神戸大学名誉教授のNPO産業技術資料保存調査会作品32本の管理(掘尾氏死ご逝去)。掘尾先生が長年に渡りデジタル化、保管・活用してきた貴重なものである。この作品を科学映像館が引き継ぎ、公開することになった。作品の収集とデジタル化にあたられた理事長掘尾尚志先生を始め理事の先生方のご意志をそんちょうするとともにそのご努力に敬意をひょうしたい。1年かけて7月30日公開を完了。LSIマイクロエレクトロニクスの世界
次いで旭化成OB藤本善之助氏から2枚のDVDが届く。1枚は「鴨緑江大水力発電工事」水豊ダム(スプンダム、すいほうダム)は鴨緑江にある水力発電用ダムである。右岸の中華人民共和国遼寧省寛甸満族自治県と、左岸の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)平安北道朔州郡の中朝国境を跨ぐ。ダムは中朝国境にあり、発電所は北朝鮮側にある。日本の大東和共栄圏政策の光と影であろう。もう一枚は「アサハンに築く 総集編」インドネシャと日本共同開発、ダム建設とアルミニュウムの製造会社の建設記録。この作品はフィルムが見つかり、住友商事OB有志による募金により、関連3作品のリマスター版が完成、配信中。
さらに大高潔様から9.5㎜作品32本。デジタル化は約3割が終り、その内容は1920代の切紙細工アニメ、教育映画、ホームドラマなどもあり、貴重な資料である。大高潔氏は大高家について以下のメッセージを寄せている。大高家ホービデオ/切紙細工アニメ孫悟空物語
「大高庄右衛門は私の曾祖父に当たりますが、大高家では当時、代々庄右衛門を引き継いでおり、祖父の名も大高庄右衛門でした。フィルムには家族写真の場面等もある様子ですが祖父の庄右衛門も戦前・戦後を通じて山形大学の工学部教授をしており、教育フィルムを含めこちらの撮影者は祖父の庄右衛門なのかも知れません。フィルムの所有者に関しましては父の世田谷区(故)大高 一(はじめ)としていただきたく、・・・」
「年代から言うとご祖父にあたられる大高庄右衛門氏が撮影、構成されたとものと推察され、貴重な映像であると思う。順次、デジタル復元し、公開予定である。ご期待ください。私自身も興味津々で映像を待っている。」
なお、今回大高潔氏が撮影されたSLの8mm作品の寄贈、先日タイトルを頂いたが、JR時代のローカル線がズーラリ。今回はデジタル化費用も大高氏から頂く。
その間に日立製作所の作品が6本、徳島の知人からDVD「阿波人形浄瑠璃 傾城阿波の鳴門」、特定非営利活動法人「西部ろうあ仲間サロン会」保管、「風紋」,小林宏氏撮影「こんにちは パンダちゃん」と。さらに栃木県の小山氏寄贈の42本の8mm作品と続き、費用の工面に奔走の日々である。
最近、一種のクラウンドファンディングタイアッププロモーション とCANPAN決済サービスに参加するも期待外れの様だ。