2022年 08月 09日
東京文映社長土屋祥吾との出会い、地方病「日本充血球症」を
2007年から活動している「NPO法人科学映像館」は、草の根活動的に一作、一作と発掘を続け他作品を、製作者の配信許諾後、専門企業により本格的にデジタル復元を行い、保管・ウェブにより無料配信した作品も1,200本を超えた。その中には凡作もあるが、それも見る人によってはそのワンカット、ワンカットが貴重な資料でもある。中にはとてつもない作品もあり、わたくし自身、作品から多くのこと学び、想い起こして来た。
科学映像館開設数年後、ある方の紹介で東京文映社長土屋祥吾氏とお会いし(今日も電話でお話し)、製作した作品について伺った。デジタル化後、こんな地方病が1997年にやっと撲滅したのか、そしてその治療と原因究明へ生涯をささげられた杉浦健造‣三郎先生親子のご業績にただただ感嘆。数年前、山梨県の「昭和町風土伝承館 杉浦醫院」を見学さしてもらい、さらに先生に偉大な業績にじかに接した。現在は記念館として多く方を迎えている。当館の配信によって、遠くから見学に来られるかとも多いとか。
配信映画
「地方病との斗いー 第一部 水腫脹満ー」 、「地方病との斗い―第二部―治療と駆除ー」、「日本充血球」、「人類のなのもとに」
補足
日本住血吸虫症は東南アジア,中国に分布するヒトを終宿主とする寄生虫疾患である.かつては日本の一部の地域(山梨県甲府盆地,広島県片山地方,福岡県筑後地方)に高浸透地域があり,多数の患者が発症したが,中間宿主であるミヤイリガイ(宮入貝)の駆除により絶滅され,すでに終息した.新規の患者発生はないが,慢性期の既感染者には,いまだに遭遇する.中間宿主であるミヤイリガイで幼虫セルカリアになり,水中から皮膚感染する.感染すると大循環,腸間膜を経由して門脈から肝末梢門脈域に到達する.そこで虫体から産生される代謝産物が強いアレルギー反応を起こし,門脈域の強い炎症と肉芽腫の形成から二次的な肝組織障害,肝萎縮へと進展し,さらに門脈圧亢進による腹水,肝不全へと進展する.また10~40%が肝硬変に移行するとされたが,この高い移行率には肝炎ウイルスによる関与も含まれていたとされる(内科学 第10版より).