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先行配信のお知らせ「荒川のお雛祭り「オヒナゲエ」」

オヒナゲエ

お制作:非特定 荒川流域ネットワーク

2019年 カラー 2044

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平成19年度財団法人河川環境管理財団河川整備基金助成事業

『オヒナゲエ』

芽吹きの春を子どもたちが河原で粥を食べて迎える雛祭り

43日、埼玉県秩父郡小鹿野町の河原沢地区で国選無形民俗文化財指定のひな祭り行事「オヒナゲエ(お雛粥)」が行われた。地元の「河原沢おひなげ保存会」のメンバーらと子ども約60人と保護者が、荒川の支流である赤平川上流の河原に集まり、粥を炊いてひな祭りを祝った。この行事は、江戸時代から続く伝統であり、毎年43日(旧暦の33日)に行われる。地元では粥を「ケエ」と呼び、春の小川の河川敷で子どもたちが協同炊飯する「野遊び」の習慣を残す雛祭り行事である。

かつては小鹿野町飯田、三山地域でも行われ、集落ごとに子どもたちが河原に集また。また、群馬県多野郡上野村乙父でも同様の行事があり、両県の山間部で盛んに行われていた。以前は子どもたちだけで行われ、男女別のグループに分かれていたが、1974年から石囲いが作られるようになり、1985年以降は男女が一緒に入る大きな石囲いが作られるようになった。

祭りの1週間前には、子どもたちが河原の粥を炊く場所に石を並べ、祭壇を作る。祭事中にはひな人形を飾り、粥やみそ汁を供える。子どもたちは粥とみそ汁を味わいながら、待ち望んでいた川遊びの幕開けを楽しんでいるようだった。非営利活動法人 荒川流域ネットワーク代表理事 鈴木 勝行


「補足」

埼玉県秩父郡小鹿野町の河原沢地区で4月3日、国選無形民俗文化財指定のひな祭り行事「オヒナゲエ(お雛粥)」が行われた。子ども約60人と保護者、地元の「河原沢おひなげ保存会」のメンバーらが荒川の支流である赤平川上流に位置する河原沢川の河原に集まり、粥を炊くなどしてひな祭りを祝った。荒川流域ネットワークでは、流域に残る貴重な伝統行事として記録映像に残すこととした。

 「オヒナゲエ」は、一説では江戸時代から続く行事で毎年4月3日(旧暦の3月3日)に行われている。同地区では粥のことを「ケエ」と言うことからオヒナゲエと呼ばれている。子どもたちが春の小川の河川敷で協同炊飯して遊ぶ野遊びの習俗を残した雛祭り行事と考えられている。

 1965年頃までは、小鹿野町飯田、三山地域でも集落ごとに子どもたちが河原に集まって行なわれ、小鹿野町三田川地区だけでも17ヶ所で行なわれていた。

 また、志賀坂峠を越えた群馬県多野郡上野村乙父にも同じような「おひながゆ」という行事が伝えられており、峠をはさんだ両県の山間部で盛んに行なわれていた。

 かつては子どもたちだけで行なわれ、地域の気の合った子どもたちが、男女別に数人ずつのグループに分かれて行なわれることが多かったようだが、現在のように石囲いが作られるようになったのは1974年からだという。

 1985年以降は男女が一緒に入る大きな石囲いを作り、川原沢地区の日向、日影、原の3集落で個々に行われていたが、少子化の影響などにより祭りの存続が危ぶまれ、1987年に発足した同保存会の呼びかけで3集落を合わせた河原沢地区全体で行われるようになった。同保存会結成がきっかけとなり、オヒナゲエは1988年に県指定無形民族文化財、1998年には国選無形民俗文化財の指定を受けている。

 祭の1週間前に、子どもたちによって、河原の粥を炊く場所へ円形に大きめの石を並べ囲い、その囲いに沿ってかまどとひな人形を飾る祭壇が作られたそうだ。石囲いは東西に長く、北側に祭壇、南側にかまどがそれぞれ置かれる。基本的には子どもだけで行う行事で、大人は補助的な役割を務め、できるだけ手伝わないようにする。

 祭事中、上級生の女子が、明治時代より伝わるというひな人形一対を河原へ運び、南向きに作られた祭壇へ飾る。ひな人形の前に桃の花とヨモギやトチの実、キビで色付けされた手作りのひし餅を供える場面もある。

 粥が出来上がると、女子によって祭壇前に粥とみそ汁が供えられる。その後子どもたちは粥とみそ汁を盛り付けてもらい、石囲いの中に敷かれたシートに座って味わった。

 祭に参加している子どもたちの話では、河原沢川では毎年夏になるとイワナを手掴みで掴まえることができ、川でイワナを掴まえて遊ぶのが待ち遠しいうことだった。河原での雛祭りは子どもたちにとって、待ち望んでいた川遊びの幕開けの意味もあるようだった。非営利活動法人 荒川流域ネットワーク代表理事 鈴木 勝行

ファイル名:ohinagee.mp4


by rijityoo | 2024-03-30 10:32 | 先行配信映画(107) | Comments(0)