2007年 09月 19日
OSTEOCYTE制作の舞台裏 その2
ネイベイド博士が来室した本来の研究課題、骨細胞に特異的に発現している遺伝子の同定。彼の方法は、形態的観察には対応できるが、分離細胞数が不十分。多数の細胞を得るための予備実験にかかる。骨組織の構造から、至って簡単な方法にたどり着く。その要点は、骨細胞のみを含んだ骨片を機械的と酵素処理で用意。その後、その骨組織を酵素で消化、細胞を集めると至って単純な手法を確立(分離方法はこちら)。骨細胞に特有な遺伝子の同定には至らなかった。しかし、数千個の卵から精製したタンパク質に破骨細胞の活性抑制因子の同定を。
これらの研究は、まさしく異分野の人、ベイネイド博士、企業からの参加者らとの共同研究の成果の一例と考える。また特定の細胞の分離には、組織の構造、細胞の特性をまず十分吟味し、それぞれに適した手法をあみ出す工夫が。破骨細胞の分離には細胞の接着性がキーポイントであり、骨細胞は細胞のみを含んだ骨片がキーポイントとなった。
予断ですが、破骨細胞と骨細胞共存の映像は、映画、北京原人のプロローグに使用された。
ご覧になった方もおられるかと思う。