2007年 09月 21日
日本の漁港を巡って〔漁業の現状と漁港めぐり〕
今回は科学映画製作の舞台裏を一休みし、今月の三水会例会のお話。三水会は28年前に発足。異分野の会員が毎月第三水曜日に集まり、ホットな話題を取り上げ、話し合う会である。本年からその内容を骨の健康づくり委員会のHPに花の雑学、三水会便りとして掲載、好評を得ている。今回の話題は、会員の栗生さんが1年かけて実際に20数箇所の漁港を訪ねてのレポート。詳細は近日掲載の三水会便りをご覧いただくとして、その予告編。
日本の漁業の現状に大変びっくり。漁獲量は最盛期の約600万トンに対して約400万トン。食用魚介類の自給率は53%、養殖の餌も80%が輸入と驚くべき現状。沿岸漁業者は戦後60年で80%が、遠洋漁業者は90%が失職。300万人であった漁業関係者は、現在わずか22万人で、しかも高齢者が多い。
昭和42年6,000隻と世界に誇った漁船も1,800隻となっている。しかも新造船は年間27隻と最盛期のわずか2%とのこと。台風の時、各港でよく見かける船は廃船で、買い手をまっているものが多いらしい。日本の漁業技術は素晴らしいため、韓国などは、漁労長まるごと船を買いとるといった始末。ハードもソフトも海外へ流失の時代か。
ここでさらに大きな問題が。日本の漁業政策が全く無策らしい。栗生氏によると、漁船の数は激減し、漁業は休業状態にもかかわらず、港の数はほぼ同じ。いまだに魚港の新設と拡張工事は、増加傾向。水産庁予算の60%は、いまだに港の工事費として。例のばら撒き政策は、農業、林業のみならず漁業にも。何とかして欲しい。しかも水産丁予算は外国に比べても大変少ないとのこと。そして環境の変化にかかわらず、漁業に関する法律は昭和60年前後以来、全く修正、改定されていないとのこと。もっと一次産業に目を向ける時では、そして日本文化にも。