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科学映画のインターネットによる配信に一言 その2

 前回、映画の上映会とインターネット配信について私見を記載。両者にはそれぞれの利点があり、両者を生かし、うまく事を進めることがよいのではと。制作者、企画者の立場、思いなどもあり、インターネット配信を簡単に受け入れないこともあると思う。しかし、心を込めて制作した作品であれば、一人でも多くの皆さんに知って、観て、それぞれの分野で役立てらうことも大切。

 3,4年前、大型動画の配信を始めた時、システム可能直後のことでもあり、中々関係者の理解と賛同が得られなかった。その原因一つに、映像権(版権)の問題が。影像権は、40年と聞く。映像権には以下の2点の意味があるのではと思う。制作者と企画者の制作映画に対する権利と責任。もう1点は販売権。

 ここ3,4年、関係者との話し合いでよく耳にすることは、制作者と企画者のどちらに版権があるのか、定かでないことも多い。また版権所有者は権利を主張するが、責任を必ずしも果たしていないことも。企画会社では担当者が頻繁に代わり、保管すらできていない。平たく言えば作りっぱなし。保存していると、固定資産税の対称になるとの話も聞く。であれば、廃棄して社会還元されては。また、大制作会社でも、マスターフィルムすら保存していないこともあるようだ。ほんとうに無責任であり、せっかくの名作が倉庫ではもったいない話。

 もう一点、ドキュメンタル映画がこんなに埋もれ、世に知られていないのは、関係者の保管と普及への努力も充分ではなかったのでは。知られていないから売れない。売れないから単価が高いの悪循環。小生、現役時代、医歯系大学の図書館長をしていたことがある。生物、医学系の雑誌は、電子化のため値段が高騰。確かここ20年で数倍にもなっている。したがってどの大学も雑誌数を削減せざるを得ない状況で、科学映画、教育映画を購入の予算など考えられない。

 今回、科学映像館活動を理解し、フィルムを積極的に提供していただいた東京シネマ新社岡田一男氏、ヨネプロダクシオン大沼鉄郎氏のご協力なくして科学映像館はあり得なかった。また東京光音株式会社とみの電子産業株式会社は利益を度外視して当館の活動にご協力いただいた。関係者一同心から感謝。製作会社を初めとする関係者の科学映像館活動へのご協力を切望したい。
by rijityoo | 2007-11-16 10:48 | Comments(0)