2008年 03月 22日
春日氏の68の車輪撮影の想い出を読んで
ブログの桜がぴったりの季節になりました。年度末をひかえ、ご多忙の毎日とお察しします。朝晩の電車も卒業式、謝恩会に出席の女子学生で華やかです。しかし、この年度末、なんとぎすぎすした日本、いや世界ですか。
68の車輪は約300トン変圧器を1週間かけて目的地まで運ぶこと。運送担当者は、
周到に準備し、毎晩作戦会議を重ねての作業。しかし途中に何が起るのか、予測しがたい厳しい作業であったと思う。したがって映画制作側への配慮する余裕もなく、一方的に作業は進行せざるを。であるが故、緊迫感一杯の映像が、何時何時までのも新鮮で、観る人の共感を呼んでいるのではと思う。これがドキュメンタリ映画。実は撮影者の春日氏自身、科学映像館によるインターネット配信で久しぶりにご覧になったとのこと。
ちなみに68の車輪は配信を開始して以来、今日までに4,350人の方が、751時間ご覧になっている。このような日本の戦後における、産業部門,生命科学、風俗文化などを描いた名作が、制作会社、企画した会社などの関係各所に保管されている。しかし、全てが好条件で保管し、鑑賞できる状態ではない。あるものはフィルムの原版が破棄され、またプリントも傷つき、劣化してセフィア色に変色したものも多いようである。これらは貴重な映像遺産である。そして多くの人がこれらの映画を、再び鑑賞できる仕組みが求められている。何とかせなと思うが如何。
先日、野尻湖ナウマン像発掘の記録はないものかと。博物館に現存している16mmフィルムをみせて頂いた。フィルムは映写時の傷が激しく、再生困難との結論に。版権の問題もあり、制作した3編の原版、制作会社、制作者をあらゆる手段で調べたところ、一編の制作会社は現存せず、制作者はすでに他界されていることが。現像所にもフィルムはなく、近代美術館付属フィルムセンターに孤児として保管されていることが。これで何とかの目どが。しかし同様のフィルムがなんと1,200本センターに眠っているとか。我々のフィルムは運良く見つかったが、本当に何とかしないと、永遠に日の目を見ないでことあろう。
残りの2編は制作者、会社も現存しており、先日来交渉を重ね、前向きのご返事をいただいている。