2008年 08月 05日
生命科学映画の撮影と池本理科化学工業
生命科学映画の撮影には、特殊な撮影方法が用いられる。撮影に直接係わるひとの努力は大変大きい。とともに特殊な培養器具を開発し、提供してきた池本化学工業の貢献は大変なものであると評価したい。
60年前、東大の近くに店を開いた初代社長の池本喜三氏は、研究者の要望を組み入れ、多くの器具を具現化した言われている。今日的表現をすれば、数々のヒット商品を生みだした。かってはどこの研究室にもあり、ガラス製のピペットを自動洗浄した器具、自動洗浄機。これは池本氏の考案したもの。パテントなしで多くの研究者に使ってもらおうと。後に彼は発明協会の役員として業界の発展にも寄与した。
日本で始めて本格的な炭酸ガス培養装置を開発、今日の基礎を作り上げた。その後、薄形の培養ガラス器なども世に送り出した。常に多くの研究者の意見などをもとに、研究者に便利な器具を開発、提供した貴重な会社、これが池本科学工業である。
筆者との接点は、留学後Roseの還流培養装置を、日本で具現化してもらったことに始まる。小林米作氏と映画撮影に係わった折も、池本製の器具をずい分と活用した。
実は、この春、2代目と3代目社長が、ふじみ野の事務所に立ち寄られた。その際、今後について意見をもとめられる。そもそも池本の社風の良いところ、御用聞きをし、注文品を研究者に直接手渡すと言うシステム。大変良いのであるが、少しは簡素化、効率化すべきではないかと。いまだに営業車が10台。エコ化の時代、しかもガソリン高騰の時代、しかも都内ゆえ、駐車代も馬鹿にならないとのこと。。少し何とかしないと。規格品の宅配制の導入など。
第2点は池本工房の設立。初代社長が研究者の意見を組み入れ、多彩な器械、器具を開発、研究者に還元したとのこと。これらのことを考慮し、若い3代目の社長が、新池本理科工業を確立するであろう。社員全員が、失敗を恐れず、各自が考え、チャレンジすることから、何かが必ず生まれると思う。
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