久米さんの科学映像便り
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プロフィール
科学映像館理事長の久米さん。映像遺産を守り、生かすための日々!
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科学映像撮影の舞台裏、生物資料の提供   その2
 次いで細胞レベルで骨の生きた営みを捉える資料の提供である。最初考えていた小玉博士が樹立した株化細胞の映像化は、以下の点で好ましくなかった。石灰化像は見られるが、骨組織にはいたらない。結節状となり内部の構造が観察出来ない。さらに石灰化の速度が遅すぎるなど。

 そこでRose の還流培養装置で新生児の頭蓋片の培養を試みることに(Atlas of vertebrate cells in tissue culture. by George G Rose, ACADEMIC PRESS 1970)。この装置は、培養器に細いチュウブで培地を還流し、栄養分と適量の酸素を培養組織片に補給する仕組み。肝臓、腎臓、唾液腺などの分化を促し、維持できると言った画期的なものであった。

b0115553_10445082.jpg 新生児マウスの骨片をこの装置で培養すると、3,4日後には、骨片が破壊され、跡形もなくなるいった想定外のことが起こったのである。破壊された骨片の周辺には、多核の大型の細胞が出現。破骨細胞による骨吸収が起こったのであろうかと。ポンプで培養器に送り込む培地の圧が、破骨細胞を誘導、骨破壊を起こしたのではと考察。小林さんは形成ありきで、骨の破壊にあまり感心を示さなかったが、とりあえず撮影を開始。来学以来、5ヶ月目の映像である。破骨細胞の動態を4分に1駒の割合で撮影した2カットの映像示すことが。


 骨破壊のシャープな局所像が、骨片の厚さ故に捉えきれないもどかしさ。しかし静止像のみで観察してきた私たちにとって、今回の映像は興味深い現象を示してくれた。破骨細胞の活発な運動、いわゆる波状縁の動き。そして働きを終えた細胞が、最後に液胞化して死滅した映像。アポトーシス(?)を初めて捉えた映像であろう。今回の映像は、破骨細胞の動態以外に、破骨細胞の起源は、その形成は、周辺の細胞との関係はなどなど、今後への宿題も。骨芽細胞による形成の映像は次回に。

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# by rijityoo | 2007-08-29 10:40 | Comments(0)
科学映像撮影の舞台裏、生物資料の提供
b0115553_9581666.jpg 骨の映画の撮影をお手伝いする貴重な経験をした。骨の3部作、
The Bone」 ,「The Bone II」,「Osteocyte」、の生物試資料を
提供した。今回はその撮影の舞台裏に焦点を当てたお話。その第1回は
The Bone 」についてであるが、この映画はある製薬会社の新薬発売を記念して企画されたもの。小林米作氏は単なる商業映画の制作ではなく、骨の生きた営みに迫る映画をと。


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 当時ガラス内での骨の形成はまだ報告もなく、勿論その映像もなかった時代であった。今日、耳にする再生医学の魁であった。そのため器官の分化を促し、維持でき、しかも観察に適した培養装置を留学先から持ち帰った筆者にお呼びがかかったのである。3部作制作の足掛け15年間の舞台裏を。

 1978年11月の中旬、小林さん以下ヨネプロの数名のスタッフが、トラックいっぱいの機材と共に来学、早速設営に着手。しかし提供できる資料の目どは全くたたず、悪戦苦闘のうちに年末へと。 年が明けて、2つの方向が。スタッフは長骨発育の映像化。私たちは細胞レベルでの骨形成と。しかし両者とも中々の資料作りである。

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 今回は長骨発育の映像はいかにして撮影されたかを中心に。小林さんは新生児マウスの前足の指の発育に着目。固定のまま20日間生育させ、撮影することを企画。最初の1週間、まず注射器でのミルクの補給を考えたが、飼育は無理と判断。



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 ついで何日か毎に発育した同腹のマウスと交換、撮影へと。では固定と撮影は?体を固定したマウスの指を露出して硝子板にボンドで固定し、下方から照明。表面の乾燥を防ぐため、油を塗布しての2ヶ月にわたる撮影であった。軟骨モデルから軟骨の石灰化、血管の骨髄への進入、骨への置換と一連の発育動態の映像化が。この撮影は普通速度で行い、発育段階に沿い、積み重ねたものである。 次回は細胞レベルでの骨形成は?
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# by rijityoo | 2007-08-27 11:47 | Comments(0)
HD化で音学も甦る
 小林米作氏は科学映画を総合芸術ととらえ、生命科学の神秘に迫った映像にも美しさの表現を心がける。また音楽の表現をもとめて、当時の新進作曲家、黛 敏郎、武満 徹、間宮 芳生、一柳 慧の諸氏に作曲を委嘱、映像と音楽の癒合を図っている。ナレーションも城 達也氏との気配りである。

 今回のHD化は映像のみならず、一柳氏らによる音楽も見事に甦ったようである。小林健次氏によると、HD化した生命誕生の音楽では、弦を弾く音,ピチカート、が再現しているとのこと。巷のDVDがよくなかったのではと思い、東京光音に。やはり今回のHD化では、音の情報量も多いらしい。しかし、当時の録音システムには限度があり、甲高い音は致し方ないようである。
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# by rijityoo | 2007-08-24 11:04 | Comments(0)
時には無声映像も
 映像が全て。これが究極の科学映画と、小林さんはよく言われていた。確かに無声にして画像を観ると、映像に無限の広がりを感じる。そして、また、観るたびに新たな発見もある。ナレーション、音楽、映像中のテロップすら、各自の鑑賞の妨げとなるのかも。

 科学映画の新たな活用方法が、ここに見出せるのでは。例えば家庭での親子の対話、セミナーのフリートーキングの教材として、また理解度テストの材料としても。
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# by rijityoo | 2007-08-22 06:13 | Comments(0)
お久しぶりです、先生
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 今年度の「第21回ハーモニーの家 高原芸術祭/森のコンサートNo.197 ~科学映画と音楽の午後 ~」が19日、午後、蓼科 三井の森ハーモニーの家で開かれた。本年は科学映画と音楽のジョイントの午後。


 このホールは別荘には文化が不可欠との三井不動産、江戸会長の発案で生まれたと聞く。外観は北欧風の建築で、しかもホールの音響効果は抜群。ハーモニーのメンバーで維持管し、この日もメンバーが主体で切り盛りしていた。いわばメンバーの語らいの場でもある。ちなみに初代館長は、指揮者の故渡辺暁雄氏、2代目が大束省三氏、3代目が小林健次氏である。b0115553_12521183.jpg


 2時半、小林さんのヴァイオリン演奏(ピアノ伴奏は奥様の小林 浩子氏)で開幕。小林さんの繊細でしかも重厚で迫力ある演奏を生で聴くなんてこの夏一番の贅沢。またご夫婦の息もぴったり。小林さん親子は、音楽と映像と分野は異なるが、芸術への感性は、やはり親から子供へと。


 ついで科学映画、「生命誕生」と「The Bone II」の2編を上映、上映設備などに不具合があったものの、参加者の映画への評価は抜群。3人の小学生もいたが、最後まで飽きずに観ていたのには感心。音楽と科学映画の上映は意外とマッチしているのかも。私たちの活動に高い感心と理解をしめされ、3人の入会希望者が。
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 さて今回懐かしい方に久しぶりにお会いした。元明海大学学長の大束百合子先生が、ご主人の大束省三氏とお二人でおみえになった。プログラムに小生の名前を見たとのことで、わざわざ参加していただいた。大束ご夫妻もハーモニーの館長としてご活躍されたとのこと。

 昼食の場に押しかけ、10年間の四方山話。御主人のお話の中に今日の日本社会への批判。特に政治批判、哲学が全く欠如していると。現在、北杜市にお住いであるが、地方の切捨て、自民党の惨敗が目に浮かぶ。またお二人の昼食に感心、体に優しいメニュウをお互いにいたわりながら、ゆっくりと楽しんでの食事、大いに反省。

 お帰りの際、とんでもないハプニングが。デッキの古びた階段でつまずかれ、2回転。本当にびっくりしたが、すくっと立ち上がられ、私は骨が丈夫ですからと。帰宅後、お宅に電話すると、ご本人から、脛にちょっとしたかすり傷のみとのとのことで一安心。といっても80数歳、ご注意いただきたいと。でも本当に転び方が最高にお上手、身が軽くて反応が素晴らしいの一言。上手な転び方は骨折を防ぐには最も大切なこと。若いときから乳製品が大好きと骨の健康づくり委員会のホームページに原稿も。(コラムはこちら

 蓼科は涼しいだろうと期待したが、35度を超える暑さ。しかも帰り雷雨で中央線は、一時、運行中止と。大変な1日であったが、新しい人の輪を得た日でもあった。
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# by rijityoo | 2007-08-20 11:32 | Comments(0)